【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.27】今週の映画セレクション/『35年目のラブレター』
毎週月曜日にお届けする連載企画【YOUTHClip CINEMA GUIDE】今週の映画セレクション。
本コーナーでは、現役大学生で構成されたYOUTHClip編集部員が、“今観てほしい”おすすめの映画をセレクトし、その魅力をご紹介します。
今回取り上げるのは、心温まる感動の実話、読み書きできない夫と幸せを教えてくれた妻が歩んだ人生を描いた『35年目のラブレター』です。
目次
1.キャストスタッフ&ストーリー
2.「文字」に込めた、35年分のありがとう
3.出会った頃から変わらない、二人だけの愛のかたち

1.キャストスタッフ&ストーリー
出演:笑福亭鶴瓶 原田知世
重岡大毅 上白石萌音
徳永えり ぎぃ子 辻本祐樹 本多 力
江口のりこ 瀬戸琴楓 白鳥晴都 くわばたりえ
笹野高史 安田顕
監督・脚本:塚本連平
企画・プロデュース:森谷雄
配給:東映
「君は、僕と結婚して、幸せでしたか?」
西畑保、65歳。文字の読み書きができない。そんな彼の側にはいつも最愛の妻・皎子がいた。 保は貧しい家に生まれ、ほとんど学校へ通えず大人になった。生きづらい日々を過ごしてきたが、皎子と運命的に出会い、めでたく結婚。しかし、その手放したくない幸せ故に保は読み書きができないことを言い出せずにいた。半年後、ついにひた隠しにしてきた秘密が露見し別れを覚悟する保だったが、皎子は保の手をとりながらこう告げた。
「今日から私があなたの手になる」その言葉に、その眼差しに、保は救われた。
どんな時も寄り添い支えてくれた皎子へ感謝のラブレターを書きたい。定年退職を機に保は一大決心し夜間中学に通い始める。担任の谷山恵先生のじっくりと粘り強い教えや年齢・国籍も異なる同級生たちと共に学ぶ日々で少しずつ文字を覚えていく保。だが老齢のため物覚えも悪く、気付けば5年以上の月日が経過した頃、一字また一字と書いては消しまた書くひたむきな保と、それを見るともなく見守る皎子は結婚35年目を迎えていた。変わらない日常がいつまでも続くと思っていた。なかなか書き上げられずにいたラブレターがようやく形になろうとしていた頃、皎子が病魔におそわれて……。
2.「文字」に込めた、35年分のありがとう
読み書きができないという秘密を抱えたまま、妻・皎子と結婚した西畑保。そんな保が決意したのは、35年間支えてくれた妻へ自分の手でラブレターを書くことでした。そのために夜間学校へ通い、一から文字を学ぶ姿には、ただ「手紙を書きたい」という願い以上に、妻への感謝とこれまでの人生への向き合い方が込められています。かつて文字を書くことのできなかった保にとって、ひとつひとつの言葉は大きな意味を持ちます。
3.出会った頃から変わらない、二人だけの愛のかたち
本作では、保と皎子が出会った頃の姿と、35年の時を重ねた現在が交差しながら描かれています。若かりし頃に交わしていた何気ない会話や仕草が、時を経ても変わらず続いていることに気づかされます。人生の中で訪れるさまざまな困難やすれ違いを乗り越えながら、二人が築いてきたのは特別な出来事ではなく、日々の小さな積み重ねでした。相手を思いやる気持ちや、変わらず隣にいることの尊さが、過去と現在を行き来する演出によってより深く伝わってきます。
4.だからZ世代に届けたい
SNSやメッセージアプリで、気軽に気持ちを伝えられるようになった今、手紙を書く機会は少なくなっているのではないでしょうか。しかし、相手のことを考えながら言葉を選び、自分の手で一文字ずつ綴る手紙には、デジタルのやり取りでは味わえない温かさがあります。 私自身、最近友人から手紙をもらう機会がありました。その手紙には、普段なかなか伝え合うことのできない想いが詰まっていて、思わず涙が溢れるほど嬉しく感じました。時間をかけて自分のために書いてくれたという事実が、何よりも心に残ったからです。 『35年目のラブレター』は、大切な人へ想いを伝えることの大切さを改めて感じさせてくれる作品です。 普段は照れくさくて言えない「ありがとう」や「大切に思っている」という気持ちも、手紙なら素直に伝えられるかもしれません。デジタルでのやり取りが当たり前になった今だからこそ、たまには大切な人へ、自分の言葉を手紙に込めて届けてみてはいかがでしょうか。
Tel:03-6712-5946
記事:西村衣湖