【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.33】今週の映画セレクション/『ディア・ファミリー』
毎週月曜日にお届けする連載企画【YOUTHClip CINEMA GUIDE】今週の映画セレクション。
本コーナーでは、現役大学生で構成されたYOUTHClip編集部員が、“今観てほしい”おすすめの映画をセレクトし、その魅力をご紹介します。
今回取り上げるのは、世界で17万人の命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルの誕生にまつわる実話『ディア・ファミリー』です。
目次
1.キャストスタッフ&ストーリー
2.「家族を救いたい」から始まった、ありえない挑戦
3.家族だからこそ、すれ違ってしまうこともある

1.キャストスタッフ&ストーリー
出演:大泉洋 菅野美穂
福本莉子
新井美羽 上杉柊平 徳永えり・満島真之介 戸田菜穂
川栄李奈/有村架純・松村北斗 光石研
監督:月川翔
脚本:林民夫
原作:清武英利
配給:東映
1970年代。小さな町工場を経営する坪井宣政と妻・陽子の娘である佳美は生まれつき心臓疾患を抱えており、幼い頃に余命10年を宣告されてしまう。どこの医療機関でも治すことができないという厳しい現実を突きつけられた宣政は、娘のために自ら人工心臓を作ることを決意。知識も経験もない状態からの医療器具開発は限りなく不可能に近かったが、宣政と陽子は娘を救いたい一心で勉強に励み、有識者に頭を下げ、資金繰りをして何年も開発に奔走する。しかし佳美の命のリミットは刻一刻と近づいていた。
2.「家族を救いたい」から始まった、ありえない挑戦
娘を救いたいという強い思いが、医療知識のない父親を人工心臓の開発という前例のない挑戦へと突き動かしていきます。本作を通して伝わってくるのは、誰かを大切に思う気持ちが、ときに自分でも想像できないほどの力になるということです。「自分にはできない」と思ってしまうようなことでも、どうしても叶えたい理由があれば、人は一歩を踏み出すことができる。誰かのために行動することの強さと、その思いが持つ可能性に気づかされます。
3.家族だからこそ、すれ違ってしまうこともある
一番近くにいる存在だからこそ、言葉にしなくても分かってくれると思ってしまいます。しかし、どれだけ大切に思っていても、気持ちがすれ違ってしまうことはあります。本作では、そんな家族のリアルな関係性が描かれています。だからこそ気づかされるのは、「家族だから分かり合える」とは限らないということ。それでも、すれ違いや衝突を重ねながらも相手を思い続ける姿からは、言葉にしなくても確かに存在する家族の愛情が伝わってきます。完璧ではないからこそ愛おしい。そんな家族という存在について、改めて考えたくなる作品です。
4.だからZ世代に届けたい
「今から始めても遅いかもしれない」「自分にはできないかもしれない」。何かに挑戦したいと思ったとき、私たちはつい、できない理由を探してしまいます。しかし、本作の父親も最初から特別な知識や経験を持っていたわけではないです。それでも、大切な娘を救いたいという思いをきっかけに、それまで知らなかった世界へ飛び込んでいきます。何かを始めるのに、完璧なタイミングを待つ必要はないのかもしれない。将来への不安や焦りを感じ、「もう遅い」と自分自身に限界を決めてしまうこともあるZ世代にこそ届けたいです。人生は、いつからでも動き出せます。『ディア・ファミリー』は、そう信じる勇気をくれる作品です。
Tel:03-6712-5946
記事:西村衣湖