【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.36】今週の映画セレクション/『リメンバー・ミー』
毎週月曜日にお届けする連載企画【YOUTHClip CINEMA GUIDE】今週の映画セレクション。
本コーナーでは、現役大学生で構成されたYOUTHClip編集部員が、“今観てほしい”おすすめの映画をセレクトし、その魅力をご紹介します。
今回取り上げるのは、音楽と家族の物語を描いたディズニー&ピクサー映画『リメンバー・ミー』です。
目次
1.キャストスタッフ&ストーリー
2.忘れられることの怖さ
3.音楽がつなぐ過去と未来

1.キャストスタッフ&ストーリー
出演:アンソニー・ゴンザレス (ミゲル),ガエル・ガルシア・ベルナル (ヘクター)
ベンジャミン・ブラット (エルネスト・デラクルス)
アラナ・ユーバック (ママ・イメルダ), レニー・ヴィクター (おばあちゃん), ハイメ・カミーユ (お父さん), アルフォンソ・アラウ (パパ・フリオ), ハーバート・シグエンサ (オスカル/フェリペ), ガブリエル・イグレシアス (事務官), ロンバルド・ボイアー (広場のマリアッチ/グスタヴォ), アナ・オフェリア・ムルギア (ママ・ココ), ナタリア・コルドバ=バックリー (フリーダ・カーロ)
出演(日本語吹替):石橋陽彩 (ミゲル),藤木直人 (ヘクター)
橋本さとし (エルネスト・デラクルス)
松雪泰子 (ママ・イメルダ), 磯辺万沙子 (おばあちゃん), 横山だいすけ (お父さん), 多田野曜平 (パパ・フリオ), 佐々木睦 (オスカル/フェリペ), チョー (事務官), 坂口候一 (広場のマリアッチ/グスタヴォ), 大方斐紗子 (ママ・ココ), 渡辺直美 (フリーダ・カーロ)
監督:リー・アンクリッチ
共同監督:エイドリアン・モリーナ
制作:ダーラ・K・アンダーソン
制作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:エイドリアン・モリーナ, マシュー・アルドリッチ
音楽:マイケル・ジアッキーノ
楽曲:クリステン・アンダーソン=ロペス, ロバート・ロペス
配給:ディズニー
ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲル。だが、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えてしまう!そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ、ヘクター。やがて二人がたどり着く、ミゲルの一族の驚くべき“秘密”とは?すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた…。
2.忘れられることの怖さ
本作では、「忘れられること」が死者にとって大きな意味を持つものとして描かれています。作中の「死者の国」では、亡くなった人は現世にいる家族から思い出されることで、存在し続けることができます。しかし、現世の人々から忘れられてしまうと、その人は“2度目の死”を迎え、死者の国からも消えてしまいます。ここで描かれているのは、単なる記憶の大切さではありません。誰かを覚えていることが、その人とのつながりを未来へ残すことにつながるという考え方です。写真を飾ったり、思い出を語ったり、好きだった音楽を聴いたりすることも、作品の中では亡くなった人を「忘れない」ための大切な行為として描かれています。
「人は亡くなったあとも、誰かの記憶の中で生き続ける」。そんなメッセージが、「忘れられること」の怖さを通して表現されています。
3.音楽がつなぐ過去と未来
本作において、音楽は「夢を追うためのもの」であると同時に、人と人をつなぐものとして描かれています。特に印象的なのが、作品のタイトルにもなっている楽曲「リメンバー・ミー」です。物語の中でこの曲は、さまざまな場面で歌われます。同じ曲でも、歌う人や込められた思いによって意味が変化していくことが特徴です。離れてしまった家族を思う気持ちや、大切な人に忘れないでほしいと願う気持ち。音楽がそれらの感情を世代を越えて伝える役割を果たしています。また、ミゲルが音楽を通して家族の過去を知っていくように、音楽は過去を知るきっかけにもなり、未来へ進むためのきっかけにもなっています。過去の記憶を残しながら、新しい世代へ受け継いでいく。『リメンバー・ミー』では、音楽がそんな「過去と未来をつなぐもの」として描かれています。
4.だからZ世代に届けたい
『リメンバー・ミー』は、子どもの頃に一度観たことがあるという人も多い作品ではないでしょうか。しかし、時間が経ってから改めて観ることで、当時とは違った部分に心を動かされる作品でもあります。実際に私自身も最近『リメンバー・ミー』を観返しました。公開当時と比べて、これまでの人生の中で大切な人が増えたからこそ、「忘れられること」の意味や、大切な人との思い出を残していくことについて、以前とは違った感じ方をしました。子どもの頃は、ミゲルの冒険やカラフルな死者の国、音楽の楽しさに目が向いていたとしても、成長した今だからこそ、家族とのつながりや、誰かを記憶し続けることの意味がより深く感じられるかもしれません。これから先、出会う人や大切に思う人が増えていくほど、『リメンバー・ミー』の物語から受け取るものも変わっていくはずです。だからこそ、子どもの頃に観たことがある人にも、まだ観たことがない人にも、今の自分で一度観てほしい作品です。
そして、9月16日から東京ディズニーシーでは、『リメンバー・ミー』の世界をテーマにした「ラソス・デ・ラ・ファミリア」が開催されています。これからディズニーシーを訪れる予定がある人は、出発前にもう一度映画を観てみるのもおすすめです。作品に込められた「記憶」や「音楽」の意味を知ってから訪れることで、パークで広がる『リメンバー・ミー』の世界を、また違った角度から楽しめるのではないでしょうか。
Tel:03-6712-5946
記事:西村衣湖