2022.12.21
Z世代のトレンドは、移り変わりの速さが大きな特色。
ネット上に溢れる多くの情報を当たり前のように取捨選択している「SNSネイティブ」の彼らにとって、トレンドとは命の短い生モノとなっております。
そのため、毎週更新されていくトレンドをキャッチして、コンテンツに落とし込むハードルは企業にとって高いものとなっており、トレンドリサーチにもかなりのカロリーを要するようになりました。
YOUTH Clipでは、「SNS最新トレンド」を毎週レポート報告いたします。
2022年12月13日‐20日のトレンドを、若者の傾向や流行った背景と共にご紹介。
『ドンペン・ド情ちゃん』
12月16日に「驚愕の殿堂 ドン・キホーテ」の公式Twitterで、ドンキ公式キャラクターを「ドンペン」から「ド情ちゃん」に変更することが発表されました。
ドン・キホーテ側の変更する理由としてドンキのオリジナルブランド「情熱価格」を皆様に知ってもらいたい!という思いがあったようです。
しかし、思った以上にTwitterではこの変更に対して「ドンペンが良い!」と続投を望む声が多く、コメント欄は交代反対の声で溢れていました。
なぜそこまでドンペンの人気が高いのでしょうか?
そもそもドン・キホーテのキャラクターであるドンペンは老若男女問わず、みんなが知っていると思います。
「ドン・キホーテ」と聞いたらあのキャラクターを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ドンペンがここまで人気を集めたのか見ていこうと思います。
まず、ドン・キホーテがとにかく大人気という大前提があります。
2019年には売上高1兆円を達成しました。
Z世代にドン・キホーテが圧倒的に人気である理由は主に、「目新しい商品が手に入る」「多種多様な化粧品が格安で手に入れられる」の2点だと思います。
1つめの「目新しい商品が手に入る」ですが、ドン・キホーテに行くと見たことのないお菓子や食品が多くありませんか?
例えば、韓国系のラーメン。辛ラーメンなどはほかのお店でもよく見かけるようになりましたが、他にもたくさんのオンスタントラーメンがずらりと並んでいます。特に近年は韓流ブームが再来しているので韓国系の食品を買う若者は多く、ドン・キホーテに多く若者が集まってきます。
そして2つめの「多種多様な化粧品が格安で手に入れられる」という点は今まで通販でしか手にはいらなかった韓国・中国のコスメがたくさん並んでいます。
さらに、他のお店では考えられないほどの圧倒的な品数と価格!!
トレンドに敏感なZ世代にとってはSNSでチェックした化粧品がすぐその日に手に入るというのはかなり大きなメリットであると考えられます。
以上の点からトレンドを作るZ世代においてドン・キホーテという存在が欠かせず、これがドン・キホーテの主な人気の理由なのではないでしょうか。
そして、そんなドン・キホーテを支えてきたドンペンは1998年に誕生し、そこから約20年間多くの支持を集めてきました。
20年間でご当地ドンペンや季節によって衣装を変えたりと様々な工夫をしてきたようです。
例えば、青森県のドンベンはりんごとコラボしてかわいらしいご当地ドンペンになっていました!
ご当地ドンペンは、県ごとの特徴をつかんでいて、日本中の人が親しみを感じやすいのではないでしょうか。
ひな祭りにはお雛様をイメージしたドンペンになっています。
季節や行事ごとに衣装が変わったりするのも愛らしくて、人気の理由の一つだといえると思います。
また、ドンペンは今年1月にアパレルブランド「SPINNS(スピンズ)」とコラボしており、雷系・量産系の枠を飛び越え、様々なトレンドのテイストのアイテムにドンペンがコラボする形になりました。
これがドンペン人気を加速させ、Z世代のファッションアイコンとしてTwitter・Instagramを中心に熱狂的な支持を集めたようです。
私もこの記事を書きながら、当時友人がおそろいでドンペンの洋服を着ているのを見たことがあったな~とおもいだしました。
ドン・キホーテはこうした多くの反響をうけて、交代発表をした同日夜、ドンペンの続投を発表しました。
ちなみに後任キャラクターになるはずだった「ド情ちゃん」がどうなるかは発表されていません。
私はドンペンの交代報道から交代取り消しまでを見て、改めてZ世代を中心としたSNSユーザーの影響力にすごく驚きました。
今や、話題に敏感でSNSで発信力をもつZ世代が何かを変えることができる時代だと思います。
今後の社会を作っていくZ世代の言葉がSNSを通して伝わるようになったことをきっかけに、もっとみんなが声をあげてよりよい社会になっていったらよいと思いました。
記事:岡田花梨(YOUTH Clip編集部)