日本では、1970年代から”アイドル”というものが誕生したそうで、当時も今もアイドルはメディアの中心であり多くの熱狂的なファンを抱えています。
2018年に行われた調査では、「オタク」と呼ばれる人たちのなかでも、アイドルオタクの推しへの消費金額じは桁外れであり、熱量は計り知れません。
皆さんにも”推し”と呼べるアイドルがいるのではないでしょうか。
しかし、CDの時代からストリーミングが主流の時代になったり、様々な”オタ活”というものが当たり前になったりしたことで、時代によってアイドルの形や求められるものが変わってきているのではないかと考えました。
また、Z世代を語る上で推しというものは想像以上に大きな存在です。そんなアイドルについて考察していきたいと思います!
今のアイドルを思い浮かべてみると、人気のアイドルは大人数グループがほとんどだと思いませんか?
特にこれは女性アイドルにいえます。たとえば、日本全国に姉妹グループをもつAKBグループ・乃木坂46などの坂道グループなどのトップアイドルは皆大人数グループです。
では、昔はどうでしょうか?
例えば1970年代には山口百恵さん・1980年代は松田聖子さんがデビューするなど日本を代表していたアイドルはひとりが多かったようです。
実際、以下のグラフから分かるように特に女性アイドルは2000年代から急激にグループの平均人数を伸ばし、2020年代にでデビューした女性アイドルグループの平均は17.5人とはアイドルが誕生したころと比べ違いは歴然です。
なぜ、このように大人数グループが人気になっていったのでしょうか。
これには3つの理由があるのではないかと考えました。
1つめは、ファンの選択肢が広がったということです。
もちろん、メンバーの人数が多ければ多いほどファンが推しを決める選択肢は広がります。
たくさんのアイドルがステージに立つ中で自分の推しがいかに輝いているか・推しがどのように他のメンバーとかかわっているのかをみるというのは推し活において非常に魅力的なことなのかもしれません。
2つめは、グループが持続可能になるという点です。
1人や少人数のグループの場合、誰かがかけてしまうとグループが存続するということが難しくなってしまう傾向があります。
例えば、キャンディーズやピンクレディーなどは人気絶頂期に解散をしました。
もちろん、私個人の考えでは解散するというのも”伝説”という感じがしてかっこいいなとも思いますが、大人数グループの場合は、人気メンバーが卒業してもオーディションが行われ、また新しい子が入ってきて人気を獲得していく、というサイクルがあり、そこが魅力的です。
ファンの人たちはグループ自体を好きになり、自分の推しが卒業すればまた新しい推しを見つけるということが多いように思えます。
3つめは、大人数でしか見せれないパフォーマンスがあるということです。
例えば、欅坂46の「不協和音」(2017)はセンターと周りを対峙させたり、大人数でしかできない迫力あるダンスの振り付けがされています。
また、全員で歌うパート・数人で歌うパート・1人で歌うパートが分かれているためより歌詞を印象的にすることが可能です。
このようなパフォーマンスは、1人や少人数グループでは難しいため、全員で1つのパフォーマンスを魅せることができる大人数グループの特権ともいえるでしょう。
以上の3つの理由から大人数グループのニーズが高まったのではないでしょうか。
今のアイドルは、バライティ番組に出演したり、俳優としてドラマに出演したり、MCを務めたり・・・。様々な活動をしているという印象があると思います。
しかし、これは昔からではありませんでした。
昭和の時代は、歌・ダンス・コンサートをすることがほとんどで今のようなアイドルの形は考えられなかったようです。
その常識を覆したのが国民的アイドルグループSMAPでした。
代表例としていえるのが20年間続いた「SMAP×SMAP」は、バライティ番組の王道を走り続け、アイドルに対して親しみやすさという新しい概念をつくりました。
その後、後輩であるV6や嵐なども同じようにバライティやドラマ・MCとしても活躍できるアイドルとなっていきました。
このようにアイドルの活動が多角化したことによって、アイドルの様々な姿をみることができたり、名前すら知らなかったアイドルを好きになったりと推すきっかけを与えてくれました。
ネットがなかった時代の推し活はとにかく自分で調べ、追っかけをするということに尽きていたようです。
歌番組でスタジオで歌うとファンが押し寄せてしまうため、全く違うところで歌うなんてこともあったみたいです!
また、曲を聴くためにはCDを買ったり、歌番組を見ることが必須でした。
現代ではSNSでファンアカウントが多く見られたり、同じ推しがいるひと同士でつながって、情報共有したりとSNS中心の推し活に変化しました。
また、以下のグラフから分かるようにCD文化は衰退し、配信が主流になりつつあります。
AKBグループ・坂道グループはCD売上の維持をするために握手券付きのCDを発売したり、ジャニーズは配信をしなかったりしていることで、世界的にみると日本はまだCDが売れているほうです。
しかし、推し活がSNSを中心になったようにCDではなく、この先配信で聞くことが当たり前になっていくのではないでしょうか。
アイドルの時代による形や求められる変化について考察していく中で、ひたすら追いかけた昭和の時代も、情報共有をして推し活のレパートリ―が増えた今もアイドルはファンのためにひたすら努力し続け、ファンはそれをものすごい熱量で応援することに変わりはないのだと気づきました。
推しがいるひとにとって、推しとはアイデンティティの1つといっても過言ではありません。
また、今では、KPOPも日本中・世界中で人気を博しています。
BTSやTWICEといったkpopアイドルのように日本のアイドルたちが韓国や世界にデビューするのも近いのかもしれません。
過去・現在・未来のアイドルの形、3人に1人は推しがいるといわれているZ世代を中心に行われる推し活の形にこれからも注目していきたいです!
記事:岡田花梨(YOUTH Clip)