映画『時給三〇〇円の死神』にて 佐倉真司役を務めた西畑大吾さん、花森雪希役を務めた福本莉子さんにインタビュー!
10月2日(金)公開の映画『時給三〇〇円の死神』で、佐倉真司役を務めた西畑大吾さん(なにわ男子)、 花森雪希役を務めた福本莉子さんにインタビューさせていただきました。

・本作へのご出演が決まったときと、台本を読まれたときのお気持ちを教えてください。
西畑:オファーをいただいたとき、まず『時給三〇〇円の死神』というタイトルにすごく興味をそそられました。原作を読ませていただいて本当に感動しましたし、“現世に未練を残している”という重くなりがちなテーマを人間の力で和らげたり癒したりしながら描いていく様子が印象的でした。死神のアルバイトを通じて成長していく佐倉くん、花森さんの姿を見てすごく感動したのを覚えています。
福本:オリジナリティ溢れる原作の良さを抽出してくださっている脚本だなと思いました。「時給三〇〇円の死神」ってなんだろう?というところから始まったのですが、二人の掛け合いが面白くて、空気感が可愛らしかったです。本作で扱っている“死”という重いテーマと、コミカルなシーンのバランスも絶妙でした。作中に色々な死者の方が出てきますが、それぞれ異なる年代で、描かれる目線は違えど、一貫して“家族”というテーマがあります。家族という普遍的なテーマだからこそ、どの世代の方にも感情移入して観ていただける作品になっているかなと思います。今まで読んだことのないような物語でとても面白かったです。
・アドリブが多い現場だったと伺っていますが、現場ではどのようなやりとりをされていましたか?
西畑:アドリブシーン多かったですね。
福本:序盤がとくに多かったですね。
探し物を探すシーンで「天ぷらのプラって何?」というセリフがあるのですが、セリフ自体は原作にもあって、それ以外の「目玉焼きに何かける派?」というやりとりは現場で生まれたものでした。監督とも相談させていただきましたが、私が佐倉くんに投げかけるようなシーンが多かったと思います。
西畑:どちらかというと受け身だったので大変でしたね(笑)
・お二人は本作が初共演となりますが、お互いの印象はいかがでしたか?
西畑:福本さんが演じられた花森さんという役がすごく天真爛漫で明るいんですけど、その明るさの理由が解き明かされていく過程での切り替えが本当に素晴らしいなと思いました。大事なシーンが多くありますが福本さんの集中力がすごくて、オーラを放っていました。かっこよかったです。
福本:花森さんから見て佐倉くんは暗い人という印象から入るのですが、ツッコミをしてくれたり一緒に過ごしてくなかで二人は打ち解けていって、最終的にはいいタッグになっていきます。その二人の関係性を作っていくなかで西畑さんは、佐倉くんにも通ずるような優しさを持っていて、なんでも受け入れてくれる懐の深さにとても助けられました。アドリブを投げかけてもなんでも返してくれますし、花森さんを演じていても、「この人だったら話してもいいかも。」と思えるようなキャラクターを西畑さんが作ってくださっていたのですごくありがたかったです。
・酒井監督の撮られる映像の美しさにも魅了される本作ですが、お二人のお気に入りのシーンを教えてください。
西畑:“死”という題材を扱っているのでシリアスな場面も多いのですが、そのなかでも少しクスッと笑えるような癒しになるシーンがあります。たとえば、探偵になりきって浮気調査をしているシーンでは現場で生まれたアドリブも多かったですし、佐倉くんと花森さんの関係性が垣間見えるような瞬間でもあったので、コミカルなシーンがとくに好きでした。
福本:最初の出会いのシーンが好きですね。雨降らしで撮ったシーンだったのですが、あんなに大きい雨降らしの機材があるんだ!ってくらいめちゃくちゃ大きいクレーンを使って、封鎖した交差点で撮影しました。どんなふうになるんだろうと思いながら撮影していましたが、完成したものを見ると、実写でありながらもアニメのような美しさを持っていて、現実とファンタジーの融合がすごくいいバランスだなと感じました。冒頭からとても引き込まれましたね。
・海や釣り堀、遊園地などロケ地も様々だったかと思いますが、とくに印象に残っているロケ場所はありますか?
西畑:佐倉くんと花森さんが二人で調査をしているシーンの、尾行している相手が螺旋階段で熱烈なキスをしているのを下から見るっていう経験が人生で初めてだったので印象に残っています(笑)
福本:でもちょっと尾行バレてそうだったよね(笑)
西畑:あれはバレてるでしょ(笑)
福本:私は桜のシーンですかね。そのためだけに宇都宮まで行っていて、役的にも辛いシーンではあったのですが、とても印象的なシーンでもありました。湖に反射して見える桜が本当に綺麗で、とくに記憶に残っています。

・関西出身のお二人ですが、カメラ外ではどんなお話をされましたか?現場の雰囲気を教えてください。
西畑:普段から関西弁で話しているので、セリフが関西のイントネーションになってしまうのはあるあるでした(笑)
渋谷さんも関西の方なので…
福本:関西祭りでしたね(笑)
西畑:関西弁を現場で聞ける安心感はありましたね。
あと、福本さんが好きな映画の話をよくしてくれたんですけど、続きが気になるちょうどいいところで話を終えるんです(笑)やっぱり話が上手いなと思いました。
福本:おすすめした映画を撮影中に観てくださっていたので、すごくまめな方だなと思いました。嬉しかったです。
・ちなみにその映画のタイトルは…
福本:『ジョー・ブラックをよろしく』っていうブラッド・ピットさんが死神役をされている映画で、何度か観ている好きな作品なので、『時給三〇〇円の死神』の死神にかけておすすめさせていただきました。この死神がめっちゃいいんですよ!
・その映画になにか影響された部分はありますか?
西畑:ブラピを意識して金髪にしようかなと悩みました(笑)
・酒井監督とはなにか役に対する話し合いやすり合わせなどを行われましたか?
西畑:僕は福本さんとのシーンが多かったので、花森さんと佐倉くんとして大事なシーンで素晴らしいお芝居をされるのを見てとめどなく涙が出てしまったんですけど、「もう少し抑えて」と言われました。やっぱりシーンを繋げてみたときに違和感が出てしまうので、さすが監督、と思いながら頑張って抑えていました。
福本:作品に入る前に監督と二人きりでしっかり面談させていただいて、その時間がとても印象的でした。現場に入ってからも、花森さんのアドリブや動きを一緒に考えてくださったり、大事なシーンの前には車で二人きりで話す時間を作ってくださったりと、すごく親身になってくださる監督でした。いつも役作りをするときは一人で、孤独だなと感じることも多いのですが、今回は酒井監督がいてくださったおかげでとても心強かったですし、二人三脚で挑んだといってもいいくらいサポートしてくださり、本当にありがたかったです。
・演じられたキャラクターとご自身の共通点はありましたか?
福本;花森さんは、友達はいるけど行動力があって一人でふっとどこかに消えてしまいそうなところがあるので、一人でフラっと行動できるところは私と似ているなと思います。
西畑:僕は、基本的に受け身なところですかね。花森さんとの関係性って、花森さんが最初に話し始めて佐倉くんがそれに答える受け身の姿勢でやっているので、自分からなにか行動を起こすタイプではないところが共通点かなと思いました。相談もするよりされることのほうが多いです。自己解決しちゃうようなところも似ているなと思います。あとちょっと暗いところも!
・お二人の思われる、この作品に込められたメッセージを教えてください。
西畑:今生きているこの時間と、当たり前のように思っている人やものの“当たり前だけど当たり前じゃない”儚さや素晴らしさを感じていただける作品になっていると思います。
愛すべき時間や尊い物事の彩度を上げてくれるような映画です。

・撮影が終わってから、普段の生活になにか変化はありましたか?
西畑:何事にも、より一層感謝しようと思いましたね。“死”というものは、今すぐにかもしれないし何十年後かもしれないし、いつ訪れるのか分からないものなので、未練を少しでも無くせるように、周りの人に対して大きな愛と感謝を持っていようと思いました。
福本:誰もが生きているうちは悩みや、人に言えない思いを抱えながらも懸命に生きていると思うんです。この作品がそのすべてを温かく包み込めるわけではないですが、そういう気持ちにそっと寄り添ってくれるものになっていると思います。
・撮影後の変化はいかがでしたか?
福本:周りの人を大切にしようと改めて思いました。この作品を観たらすごく優しい気持ちになれると思います。人の気持ちって外からは見えないし、色々な思いを抱えながら生きているんだなと思うと、ちょっと世界に優しくなれるよう気がしました。そういう思いが繋がっていくと、花森さんが目指す世界平和が叶うのではないかなと思います。
・お二人が現場で心掛けていたことかありますか?
西畑:題材的にシリアスなシーンも心苦しいシーンもありましたが、現場の士気を下げてはいけないと思うので、明るくいるときとちゃんとやるときの切り替えを大切にしていました。酒井監督が作り出してくれた空気感がとても大きかったですし、監督の作品に対する愛やこだわりに僕たちもついていこうと思えました。
座長らしいことといえば、差し入れをしたくらいです。
福本:差し入れ大事ですよ~!
西畑:差し入れをしたらみなさんものすごく喜んでくれるんですよ。
福本:「やったー!」ってね(笑)
西畑:それがもう気持ちよくて、いくらでも差し入れしたくなる現場でした。
・一番嬉しかった差し入れはなんでしょうか?
福本:宇都宮の餃子です!
お昼ご飯にさせてもらって、ワンパック一人で食べました。
西畑:ちょっと空き時間があったので、宇都宮の餃子を大量に買っていきました(笑)
・今回の作品で挑戦したことはありますか?
福本:この役自体が大きな挑戦でした。傍から見ると掴めない役どころだと思うのですが、少しずつ紐解いていきながら、過去にあった出来事や明るい性格になった理由を考えて、彼女はそうならざるを得なかったんじゃないかな、というところから役作りをしていきました。佐倉くんを振り回すにはパワーが必要ですし、魅力がないと成立しないので、どういう風に作っていくかというのはすごく悩みましたね。監督に「今まで見たことがない福本さんを見せたい」とおしゃっていただき、面談で普通に話していたときに「その感じがいいよ!普段の感じがいいよ!」と言ってくださったので、そこにできるだけ近づけるように心掛けていました。どうしてもセリフを言うと綺麗になりすぎてしまう、単調に聞こえてしまうところがあったので、どう変化をつけていくかというのは自分のなかで挑戦でした。

・もしお二人が「死神のバイトをしませんか?」と誘われたら引き受けますか?
西畑:ちょっと魅力的すぎるんですよね。時給三〇〇円っていうのは全然魅力的じゃないですし、交通費もでないですけど、終わったときに特別賞与で願い事を一つ叶えられるっていうのが大きすぎて…。それに、色々な死者の方のために動くことができるので、記憶はなくなっちゃうけど、終えたときに人間として優しくあれそうだなと思います。
僕は、「軽井沢に別荘をください!」っていうのが願いで、半年後に記憶はなくなっているけど、なぜか別荘だけ手元に残っているっていうのを目指しています。
福本:でも死神協会、絶対ケチだよ。
西畑:そうか時給三〇〇円やもんなー。
福本:それか、受け持った死者が軽井沢の別荘を持っていて、「よくしてくれたからあげるよ。」ってパターンがあるかもしれない!
西畑:なるほどね。じゃあ、軽井沢の死者に会いに行きます!
・福本さんはどうされますか?
福本:興味本位で受けるかもしれないですね。お金とか賞与とかじゃなくて、人生経験として受けてみたいなと思います。別に、軽井沢の別荘とかはいらないです(笑)
西畑:僕はもう下心しかないです(笑)
でもたしかに人生経験ですね。これほど鍛えられる仕事はない気がします。
・福本さんは、強いて言えば特別賞与で欲しいものはなんでしょうか?
福本:強いて言えば、私は海外の別荘かな~。
西畑:全然俺より欲深いやん(笑)
福本:海外に土地が欲しいです。
西畑:たしかにホテル取らなくてもいいもんね。
海外ならどこがいい?
福本:ヨーロッパとか!やっぱり高いからさ。
西畑:そっか、高いんや。
福本:どうせなら上のものを狙っていこうかなと。
・死神のアルバイトにちなんで、お二人がやってみたかったアルバイトはありますか?
西畑:カフェの店員さんに憧れがずっとあります。かっこいいです。
もちろんチェーンのお店もいいけど、表参道とかにありそうなテラスがあるようなカフェがいいですね。
福本:表参道のテラスがあるようなカフェにめっちゃ関西弁の人がいても面白いですよね(笑)
西畑:やっぱり憧れはありますよね。大阪でいうと梅田とかで、都会かつカフェテラスがあってちょっと自然も見えるような、そういうところでモテたい人生でした。
・カウンターとかではなくて運んでいくタイプのお店なんですね(笑)
西畑:はい。運んで行って、一目惚れされて、帰り際に連絡先を渡されるみたいな…。
福本:すごい細かい設定まで(笑)
・福本さんはいかがですか?
福本:私がずっとしたいと思っているのは飲食店のバイトです。なぜかというとまかないが食べたいからです(笑) まかない目当てでずっと飲食店がやりたいのですが、最近はアパレルにも興味があります。私はネットショッピングより、ウィンドウショッピング派なのでお店に行くことが多くて、店員さんと話しながら買い物したり、姉と一緒に行くこともあります。姉が「仕事で使うものが欲しい」と言ったら、「これ似合うんじゃない?」って合わせたりするんですが、それが結構好評なので、人をスタイリングしてみたいですし、接客業にはちょっと自信があります。
・最後に、これから本作をご覧になるみなさまに一言お願いいたします。
西畑:劇場でご覧になっていただいて、当たり前の日常や今生きている人生というものを少しでも尊く、愛すべきものなんだなと感じ取っていただければ幸いです。
死神のアルバイトを通じて成長していく花森さんと佐倉くんの姿もぜひ注目してみていただけたら嬉しいです。
福本:今ある日常がすごく尊く思えて、周りにいる人を大切にしたくなったり、生きていることに対して肯定してもらえるような作品になっています。とにかく映像が綺麗なので、ぜひ映画館で観ていただきたいです。
【作品概要】
映画『時給三〇〇円の死神』
西畑大吾 福本莉子
渋谷凪咲 齋藤潤 泉谷星奈 佐津川愛美
山口馬木也 小澤征悦
原作:藤まる「時給三○○円の死神」(双葉文庫)
監督:酒井麻衣『劇場版 美しい彼~eternal~』『ストロベリームーン 余命半年の恋』
脚本:福田果歩『366日』 音楽:富貴晴美
主題歌:HY「心海」(UNIVERSAL MUSIC / ASSE!! Records)
制作プロダクション:楽映舎『366日』 製作幹事・配給:ギャガ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
レーティング:<G> Ⓒ2026藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会
映画公式HP:gaga.ne.jp/jikyu-300movie/ 映画公式SNSアカウント X / Instagram/TikTok:@ jikyu_300movie
Tel:03-6712-5946
取材・記事:根市涼花