2022年11月22日に都内某所にて「The BACON PRIZE 2022」が開催された。
2022年度の受賞者は、NFTブランド「RTFKT(アーティファクト)」。今回の受賞でさらに注目を浴びた「ARTFKT(アーティファクト)」だが、今回は今更「ARTFKT(アーティファクト)」について聞けない人や、イチから知りたい人のために「ARTFKTとは何か?」を解説していく。
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※THE BACON PRIZE 2022
2007年に「the A.R.T. foundation」ディレクターのジョニー・ウォーカー⽒により創設されたアワード。”国籍に関係なく、⽇本で作品を発表した、先進的で優れたアーティスト”を称え贈られるアワード『THE BACON PRIZE(ベーコン・プライズ)』と同時に、毎年授賞式を開催している。
RTFKT(アーティファクト)とは、2020年1月にBenoit Pagotto(ベンワ・パゴット)とChris Le(クリス・リー)、Steven Vasilev(スティーブン・ヴァジレフ)の3人のアーティストによって設立されたクリエイター主導の組織だ。最新のゲーム エンジン、NFT、ブロックチェーン認証、拡張現実を使用、製造の専門知識と組み合わせて、他に類を見ないスニーカーやデジタル アーティファクトを作成している。アバターに着用できるデジタルファッションやスニーカーなどをメインに制作しており、CGツールではなくゲーム開発エンジンで製作していることも彼らの特徴だ。
この数年で、①NIKEとのデジタルコラボスニーカーや、②メタバースアバタープロジェクト「Clone X」において日本人アーティスト村上隆が参画したことでも大きな話題を呼んだ。
①NIKEとのデジタルコラボスニーカー「CryptoKicks(クリプトキックス)」
2021年12月、RTFKTは大手スポーツブランドNIKEに正式に買収された。多くのブランドがNFTへ参入する流れの中、この買収は大きな話題を生んだ。買収が発表された当初は具体的な契約内容などは発表されていなかった。その後の動向が注目される中、2022年初めに、メタリックキューブ型のNFTコレクション「MNLTH」を発表。
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本コレクションは中身が不明なまま『OpenSea』を通して販売され、リックキューブの中身が披露されたのはリリースから約3カ月後だった。「MNLTH」の中に入っていたのは、〈Nike〉が〈RTFKT〉と共同で制作した初のデジタルスニーカー「CryptoKicks(クリプトキックス)」。
このスニーカーは〈Nike〉を象徴するモデルの1つ、1985年に発売したバスケットボールシューズ「NIKE DUNK」がモデルとなっており、コレクターにとっては待ちに待ったNFTとも言える。シルエットをもとにデザインされ、ユーザーは8人のアーティストによって制作された8つのスキンでカスタマイズが可能。購入したNFTスニーカーはSnapchat上でAR(拡張現実)によって履くことも可能だ。
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本NFTは様々な実在のコンテンツと結べる様になっており、NFT販売が終了すると、MNLTH NFTの所有者はまだ公表されていない様々なMNLTHコレクションアイテムを受け取れる仕様になっている。
希少とされているSkin Vialsの1つは150ETH(約5,700万円)で落札され、高いオリジナリティを求めるコレクターが保有しているとの情報もあり、「MNLTHコレクション」はNFT市場でも最もアツいNFTシューズコレクションの1つと言えるだろう。
②メタバースアバタープロジェクト「Clone X」
「Clone X」は、2021年10月にリリースされた、RTFKTが展開するクローン化した人間をテーマにしたNFT作品であり、日本人アーティスト村上隆が参画したことでも大きな話題を呼んだプロジェクトだ。メタバースへの実装を視野に入れた高品質なアバターであり、「すべての地球人を非物質的な存在に変換し究極の仮想現実(メタバース)を作り上げることを計画している」というストーリーを持っている。
CLONE Xのアバターは、自由に自己表現するためのカスタマイズが可能だ。8種類のDNA(Human(人間)/ Robot(ロボット)/Angel(天使)/Demon(悪魔))Reptile(爬虫類)/Undead(ゾンビ)/Alien(宇宙人)/MURAKAMI(ムラカミ))が存在し、それぞれのレアリティ(希少性)は様々。全体の半分は人間であり、ロボットはクローンの総供給量の約30%を占め、天使と悪魔(各約8.75%)、爬虫類(1.25%)、アンデッド(0.6%)、村上(〜0.5%)が含まれるが、最もレアなのはエイリアン(0.15%未満)とされている。
CLONE Xのアバターは、先行販売と一般販売で合計2万個用意され、プレセール時点では0.05ETH(約2万1,000円)で約11,000体が販売された。CloneXには2つのライセンスタイプがあり、全体の約15%を占める「村上ドリップ特性(Murakami Drip Traits)」を持つものには商用ライセンスが付属せず、この特性がない85%のCLONEオーナーは最大100万米ドルまで商用利用することができる。
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また、CLONE XはNFTを展示したり他のユーザーと交流したりすることが可能な「Space Pod」と呼ばれるルームNFTを、NFTの保有者への特典としてエアドロップする。他に、クローン保有者は村上隆氏の新作NFT「Murakami Flowers」のホワイトリストに登録可能とされる。優先的に注目度の高いNFTセールへ参加できる権利が得られるのも、「CLONE X」の特徴だ。
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この様に、現在も革新的なプロジェクトや動きを見せ続けている「RTFKT」。今回「The BACON PRIZE 2022」受賞を果たし、今後もさらなる活躍が期待される同ブランドは、今後どの様にファッション、アート、デジタルといったクリエイティビティを無限化し、斬新で革新的な影響を与え続けていくのかが注目だ。
記事:竹井裕香
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