「Y2K」の次のファッションは何が流行るのか。ヒントは近年起きている「デジタル社会化」にある。
というのも近年、テクノロジーが発展し、世の中がアバター、バーチャル世界、NFTなどデジタル社会へとシフトしてきている。そんな社会の変化の中で、私達が日々目の当たりにしている“現実”は、フォトショップなどを用いて加工・編集、洗練され、変更された“別の現実”であり、私たちの目に映して出され見た時の“現実”と“別の現実”の境目は曖昧で、区別することはもはやできなくなりつつある。
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そんなデジタル社会化に沿った人々の変化を受け、2021年以降、多くのデザイナーズブランドは「近未来」「デジタル世界」を風刺したコレクションを数多く発表。「近未来感」のあるファッションスタイルは、多くの著名人やアーティスト、インフルエンサーを中心に広まってきている。
今回は、「Y2k」ファッションの次にムーブメントを起こしつつある「Y3K」ファッションについて解説していく。
「Y3K(3000年代)」は、「Y2K(2000年代)」が進化した「Y3K(3000年代)」を指し、「SF・近未来感」なイメージを持つファッションスタイルだ。
アイテムはSF、宇宙、アバター、ロボットを連想させるブルー、グレー、ネオン、メタリックカラーが中心的に使われ、SF映画に出てきそうなフューチャリスティックな雰囲気に仕上げるのが「Y3K」スタイルの特徴だ。
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中でも「Y3K」で欠かせないアイテムが「サングラス」。一般的な角のあるモノではなく曲線的なフォルムでレンズは吊りあがり、エイリアンやSFを連想させるような大ぶりさがあるのが特徴的で、「balenciaga」「Gucci」「Dior」「Yezzy」などのハイブランドからもコレクション内で多く出されている。先日、発売されたばかりの「H&M Studios A/W 2022」の喜びに満ち溢れた未来のワードローブをコンセプトとした新作の中でも、サングラスは発売と同時に即完売した。
@j4an._.y2k Glasses🥽#y3k #y2k #style #tendencia #glasses #dior #gucci #futurist #futuristicfashion ♬ som original – 🪬
TikTokなどのSNS上では、「#futuristicfashion」をタグ付けし、近未来的なファッションをシェアするユーザーやインフルエンサーが若者を中心に増えてきている。
@flamielove My keyboard top has lashes 🕷⌨️🕷#y2kbitches #cyberfashion #futuristicoutfit #vintageplatforms #futuristicfashion #cybery2k #fruitsmagazine ♬ original sound – Joshthekid
近未来的なファッションが浸透している理由の1つは、当事者らが参考にしているアイコニックな人物らが影響している。
例えば、世界的に影響力のある人物の1人Kim Kardashian。彼女はSF的なスタイルのビジュアルを自身のInstagramで公開。SF的で宇宙やエイリアンを連想させるビジュアルは、“Future Alien Barbie.”と海外メディアに大きく取り上げられてた。
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この様にファッショントレンドの流れ辿り考察していくと、
①ハイブランドがコレクションを発表
②同時に有名セレブやインフルエンサーが着用、SNSでビジュアルを公開
③一般人が自身のアイコニックな人物を参考にし、トレンドが浸透
の流れでトレンドは起きていると考えられる。
最近の「Y3K」ファッションを取り入れたアーティストビジュアルは、SF・近未来な世界観の1つとして3D artが施されるビジュアルが増えてきている傾向だ。
冒頭でも話したが、近年、テクノロジーが発展し、世の中がアバター、バーチャル世界、NFTなどデジタル社会へとシフトし、そんな社会の変化の中で、私達が日々目の当たりにしている“現実”は、フォトショップなどを用いて加工・編集、洗練され、変更された“別の現実”であり、私たちの目に映して出され見た時の“現実”と“別の現実”の境目はもはや曖昧になってきている。「Y3K」ファッションは、そんな近未来的な仮想現実の中にあるデジタルファッションでもあるのだ。
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3D artを施したファッションの傾向にある要因の1つは、デジタルファッションへの関心が向上、有名ブランドが続々とのNFT作品をもってメタバースに参入し、デジタルファッション業界が急成長、盛り上がっていることだ。理由としては下記の通りだ。
①無駄な過剰消費をしない環境破壊対策。
近年問題視されている服の過剰生産。生産過程の中で地球環境、生態系に破壊的な影響をもたらしている理由から、対策としてリユース、リサイクルなどの取り組みがなされているが、デジタルファッションを購入することで、無駄や過剰消費の削減を促し、環境破壊問題への対策に繋がる。
②生産する前に消費者からの反応が把握できる。
IDF(デジタルファッション協会)のLeanne Elliott YoungCEOは、デジタルファッションの利用がデザイナーにとって役に立つ可能性を強く主張。
「デザイナーは実際の製品を作る前に、デジタルファッションを活用することで、新しいコレクションに対する人々の反応をイチ早く把握できる」と語った。
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この主張は無駄な過剰消費をしない、環境破壊対策にも繋がってくるが、ビジネスの面でもデジタルファッションは、無駄な出費をせず、顧客層に向けて、新しいアイデア、エキサイティングなアイテムをローンチ、さらにより簡単に届ける手段になるのである。
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こうしたデジタル社会の発展により、ファッションはリアルよりも仮想現実の中にあるデジタルファッションが活発化している。「Y3K」はこうしたデジタル社会化の影響を強く受けた未来的なファッションなのである。
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