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【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.25】今週の映画セレクション/『サヨナラの引力』

YC youthclip(YOUTH Clip 編集部)
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【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.25】今週の映画セレクション/『サヨナラの引力』

毎週月曜日にお届けする連載企画【YOUTHClip CINEMA GUIDE】今週の映画セレクション。
本コーナーでは、現役大学生で構成されたYOUTHClip編集部員が、いま観てほしいおすすめ映画をセレクトし、紹介します。

今回取り上げるのは、韓国で大ヒットを記録し、先週待望の日本公開を迎えた映画『サヨナラの引力』です。

 

目次

1.キャストスタッフ&ストーリー

2.何気ない日常が、実はかけがえのないものだと気づかせてくれる

3.20年経った今でも色あせない青春映画

4.だから今Z世代に届けたい

 

1.キャストスタッフ&ストーリー

 

 

キャスト:ク・ギョファン ムン・ガヨン

シン・ジョングン イ・サンヨプ

監督:キム・ドヨン

 

 

◇ストーリー

2008年の夏、ソウル。大学生のウノとジョンウォンは長距離バスの中で運命的に出会う。ゲーム作家を夢見るウノと、建築家に憧れるジョンウォン。夢と不安を抱えた都会の日々の中で支え合ううちに、二人はやがて恋に落ち、深く愛し合う。しかし、若さゆえに抗えない現実の厳しさから、別れを選ぶ――。それから10年が経った2024年の夏、二人はソウル行きの飛行機で偶然再会する。あの頃の思い出を振り返る中で、ウノはずっと胸の奥にしまっていた問いをジョンウォンに投げかける。「もしもあの時…」。

 

2.色彩で表現される二人の人生

ウノとジョンウォンがソウルで出会い、ともに人生を歩み始める2008年の場面は、鮮やかで温もりあふれる色彩で描かれています。一方で、二人が別れてから10年の歳月が流れた2024年のパートは、対照的にモノクロームで表現されています。最愛の人を失い、まるで世界から色が消えてしまったかのような喪失感。その存在の大きさを、映像の色彩だけで語る秀逸な演出です。物語後半では、2008年と2024年の映像が頻繁に交錯します。幸せだった過去と、後悔を抱えながら生きてきた現在。その鮮やかなコントラストが、カラーとモノクロという視覚的な表現によって際立ちます。それぞれの人生を歩んできた二人を映し出すモノクロの映像は、美しさのなかにどこか切なさを漂わせ、決して取り戻すことのできない時間の重みを感じさせます。物語のラストにはどんな色が残るのか、その結末をぜひスクリーンで見届けていただきたいです。

 

3.夢と現実の境界線

大学時代に出会ったウノとジョンウォンは、毎日同じ家へ帰り、喜びも痛みも分かち合いながら暮らしていました。家族以上に深い絆で結ばれ、ぶつかり合うことがあっても、大きな愛で乗り越えてきた二人。しかし、大学卒業を機に社会へ踏み出すと、理想と現実の狭間で少しずつすれ違い始めます。追いかけたい夢と、向き合わなければならない現実。そのギャップは次第に衝突を生み、かつては支えだった互いの存在が、いつしか重荷になってしまうのです。その姿は、日本で若い世代を中心に大きな共感を呼んだ映画『花束みたいな恋をした』を思い起こさせます。どこまで夢を追い続けるべきなのか。いつ結婚し、どんな人生を選ぶのか。数え切れないほどの岐路が訪れる20代だからこそ、愛し合っていても別れを避けられない現実があります。Z世代の皆さんのなかにも、夢を追い続けている人、あるいは思い描いていた未来とは違う場所で日々働いている人がいるでしょう。本作は、「夢と現実の境界線」をどう見極め、どう選択して生きていくのかを、改めて考えさせてくれる作品です。

 

4.だから今Z世代に届けたい

本作の原題は『만약에 우리』(「もしも私たち」)。“もし違う選択をしていたら”という、選ばなかった人生に思いを巡らせる物語です。「もし、あのとき手を離さなければ…」そんな思いは、重い石のように心の奥へ残り続けることがあります。互いを誰よりも大切に思っていても、それでも避けられない別れがある。その残酷な現実は、大人になって初めて実感するものなのかもしれません。

しかし、本作が描くのは後悔だけではありません。

10年後、再び顔を合わせた二人の間にはどんな時間が流れるのか。色を失った世界は、どんな変化を見せるのか。その答えこそが、本作の本質です。過去の選択を今も胸に抱えている人へ。そして、今まさに「この手だけは離したくない」と思える誰かがいる人へ。そんなすべての人に、この物語を届けたいと思います。

 

YOUTHClipお問い合わせはこちらから

Tel:03-6712-5946

記事:根市涼花

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