【YOUTHClip CINEMA GUIDE vol.23】今週の映画セレクション/『時をかける少女』
毎週月曜日にお届けする連載企画【YOUTHClip CINEMA GUIDE】今週の映画セレクション。
本コーナーでは、現役大学生で構成されたYOUTHClip編集部員が、いま観てほしいおすすめ映画をセレクトし、紹介します。
今回取り上げるのは、公開20周年を記念して、7月3日から4K上映される『時をかける少女』。
目次
1.キャストスタッフ&ストーリー
2.何気ない日常が、実はかけがえのないものだと気づかせてくれる
3.20年経った今でも色あせない青春映画
4.だから今Z世代に届けたい
1.キャストスタッフ&ストーリー
キャスト:仲里依紗 石田卓也 板倉光隆 垣内彩未
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
配給:角川ヘラルド映画

高校2年生の紺野真琴は、理科実験室に落ちていたクルミをうっかり割ってしまったことがきっかけとなり、時間を飛び越えて過去に戻る力「タイムリープ」を手に入れる。彼女はさっそく「タイムリープ」の力を試すべく、妹が食べてしまったプリンを食べにいく。自分が“飛べる”ことを確信した真琴は、男友達の間宮千昭や津田功介とカラオケでノドが枯れるまで歌ったり、3人で何度も野球をして好プレイを連発してみたり・・・。何気ない日常を思う存分満喫するのだった。何があっても大丈夫、また戻ればいい、何回でもリセットができる。そんな楽しい毎日が続くはずだった。千昭が真琴に「俺とつきあえば?」と告げるまでは。Time waits for no one.(時は人を待たない)。「タイムリープ」を繰り返し、残り回数が底をついたとき、真琴は自分にとって一番大事なかけがえのない時間がそこにあったことに気づくのだった・・・。
2.何気ない日常が、実はかけがえのないものだと気づかせてくれる
時をかける少女の魅力は壮大なSF作品でありながら描かれているのが高校生たちの何気ない日常であることです。
放課後に友達と遊ぶ時間、将来のことをまだ決めきれない不安、好きな人との距離感。誰もが一度は経験するような青春の一瞬一瞬が丁寧に描かれています。
タイムリープによって何度でもやり直せる真琴ですが、物語が進むにつれて「やり直せるからこそ失うものもある」という現実に直面します。観終わったあとには、今過ごしている日常そのものの大切さに気づかされる作品です。
3.20年経った今でも色あせない青春映画
2006年に公開された作品ですが、その魅力は今も変わりません。
スマートフォンやSNSが当たり前になった現代でも、友人関係や恋愛への戸惑い、進路への悩みといった高校生の感情は変わりません。そのため、公開当時を知らない世代でも自然と物語に入り込むことができます。
また、夏の青空や入道雲、自転車で坂を駆け下りるシーンなど、細田守監督ならではの瑞々しい映像表現も見どころの一つです。4K上映によって、その美しい世界観をより鮮明に味わうことができます。
4.だから今Z世代に届けたい
SNSでは常に誰かの成功や楽しそうな日常が流れ、進路や将来への選択肢も増え続ける現代。私たちはつい「もっと良い選択があったかもしれない」と考えてしまいます。
しかし、『時をかける少女』は、何度やり直しても完璧な未来は存在しないこと、そして今この瞬間の選択や人との時間こそが大切であることを教えてくれます。
やり直しができないからこそ、今を大切に生きる。そのメッセージは、変化の激しい時代を生きるZ世代の心にもきっと響くはずです。
今年の夏、公開20周年を迎え4K上映されるこの名作を、ぜひ映画館で体感してみてください。
Tel:03-6712-5946
記事:川村柚月