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今回は、3月27日(金)公開の映画『90メートル』で藤村佑役を務める、山時聡真さんに単独インタビューさせていただきました!!
山時さんが演じられた佑(たすく)は難しい役だったのかと思うのですが、役を演じるにあたって考えられたことを教えてください。
山時:まずは、介護のことを勉強しました。佑を演じるにあたって、重く受け取りすぎる方もいるかもしれないですが、僕は一つの親子として、普通の高校生として、純粋に演じていければいいかなと思っていました。あと、僕は元バスケ部で撮影の時も10代でしたので、佑に共感できる部分もたくさんあって、そういった自分の経験なども活かして演じていけたらいいなと思っていました。
撮影の時は10代だったということですが、撮影していた時や、今改めて作品を振り返ってみて、この役を演じて、変わったことや成長したことはありますか?
山時:僕自身もたくさんの優しさをもらって生きているんだなという実感が湧きました。当たり前のように普段生活している中では気づかない、誰かがくれる優しさがたくさんあると思うんです。そういったことに目を向けられるようになれていたらいいなと思います。実際にできているかどうか分からないですけど、意識できるようになりました。あとはやっぱり感謝の気持ちをもつことは大切だと思いますし、思いやりを持つこともそうですよね。思いやりや優しさを忘れずにこれからも周りの人に接していきたいなと思いました。この作品を通して、今まで以上にそんな気持ちが強くなりました。
ご自身の中で、もともと打ち明けるタイプじゃなかったけど、打ち明けるようになったというような部分もありましたか?
山時:僕は割と打ち明けるタイプで、親にも何でも話しています。でも感謝の気持ちを真面目に伝えるのは難しいじゃないですか。恥ずかしいのもありますし、家ではふざけたことばかり言ったり、たわいもない話をしているので。でも、この前ちょうど成人式があって、いいきっかけだなと思って両親に「育ててくれてありがとう。」と伝えられました。
言葉で伝えたんですか?
山時:家族全員が見にきてくれたこともあり、言葉で伝えました。
セリフがなく、感情だけで表すシーンが印象に残っているのですが、そのようなシーンはどういう風に演じるかというのは、中川駿監督とはお話されたのでしょうか?
山時:そうですね。監督とは、一つひとつのシーンで、「今佑はこういう気持ちなんだと思います」という意見交換をしました。こういうお芝居がいいとか、そういうことは一切言われなかったです。ただ佑の感情面でいうと、話し合った部分はたくさんありました。そのシーンを作るにおいて、佑の感情のグラデーションはすごく意識していたので、そういったところで自然と表情が変わっていったのかなと思います。こういう表情にしようということは考えていなかったですが、どういうことを思っているかというのは、監督と本当にたくさん話しました。今どう思っているのかは喋っていなくても、心の中でつぶやいていることってあると思うので。そういったことを考えながら演じていました。
難病を抱える佑の母・美咲を演じる菅野美穂さんとは、お互い演じられる上で、時間が過ぎていくにつれての病状の変化や、受け止め方などはお話されたのでしょうか?
山時:菅野さんとは、芝居の話は一切しませんでした。でも、きっとお互いにどういう距離感でいることが良いのかは考えていて、普段のお芝居以外のところでの距離感が程良く、その近過ぎず遠過ぎない距離感がお芝居に繋がったんじゃないかなと思います。あとは本当に菅野さんから受け取るものが多くて、菅野さんのお芝居を受けて出た芝居が全てでした。
具体的なシーンというよりは全体的に?
山時:はい。菅野さんはリハーサルの時から全力で臨まれるんです。そこにはもう菅野さんじゃなくて美咲さんがいるという世界観に早い段階から入り込めたので、佑としても演じやすかったです。
監督と意見が合うとおっしゃっていたのを見かけたのですが、実際に感覚が合うなと感じたエピソードや、そういう場面があったら教えていただきたいです。
山時:面接のシーンがあるんですが、撮影が始まる前に、「このシーンが一番好きなんだよね」と言っていて。実は僕もすごくあのシーンが好きなんです。それまであまり明かすことはなかった自分の思いを語る、そして公の場だけど面接官に自分のことを話すという芝居がとても難しかったんですが、監督の大切なものを僕も大事に演じたいという気持ちがありました。そして、あのシーンを1発で撮り終わった後で「本当に良かった」と言ってくださって。いつも撮影後は監督とはあまり話さずに、「お疲れ様でした」で終わることが多かったんですが、そのシーンの時は、「本当に良かった!佑を山ちゃんに任せた意味がある」というようなことを言ってくださって、自分が出したものと監督の思い描いていたものがはまった瞬間だったのかなと思いました。 あとはいつも服の色が一緒なんです。(笑)介護練習が2回あったんですがグレーのスウェットパンツに黒のパーカーのような格好に、靴の色まで一緒。本当に似ていて、いつも皆さんに笑われていました。(笑)「また親子みたいになってるじゃん!双子!」って。(笑)惹かれるものが似ているのはすごく嬉しかったです。
台本を読み終わった時の感想と、台本を通して佑や佑以外のキャラクターの言葉でインパクトが強かったものを教えていただきたいです。
山時:台本はオーディションの時に読ませていただいたんですが、すごく温かい気持ちになって読めました。ものすごく号泣しましたし、正直胸が苦しくなる部分もありました。でもやっぱりたくさんの人から優しさを受けている佑を見て、自分もこういう風に優しさをもらって愛されて生きてきたんだなということに気づかされる作品でもありました。なので、この役は自分が絶対に演じたいという気持ちになりましたし、佑を演じる覚悟にも繋がったかなと思います。あと僕が一番印象に残った言葉は、バスケ部のメンバーだけで佑の話をしているシーンでの、「散々言われてきたじゃん。佑が抜けて弱くなったって」という台詞がすごく刺さりました。僕は現場で見ていないので映像を見た時に、みんなもそういうこと思っていたんだなと。でもその後に受け入れてくれて仲間の優しさを感じましたし、部活シーンの撮影している時は心が楽になりました。他にも同じバスケ部の翔太(田中偉登)の「俺、もっとお前と一緒にバスケしたかったわ」という言葉も、僕自身もバスケ部だったので共感できる部分がありました。僕も仕事をやっている中でバスケの試合や練習に出られないことがたくさんあったんです。参加できないことに悔しさもありましたし、申し訳なさも正直あって、その翔太の言葉で僕も救われました。他の部員もそう思っていたのかなとかも想像しました。バスケ部の仲間からの言葉は、自分とも照らし合わせながら気づいたことや、受け取ったものがたくさんありました。
学校の中での佑の境遇が、ご自身と似ていたんですね。
山時:そうですね。すごく重なった部分はあります。同じ10代ということもありましたし、本当に高校生の時に撮っていたので。
山時さんご自身も佑と一緒で、キャプテンだった?
山時:そうなんです。本当にバスケが大好きで、仕事が終わって授業には間に合わなくても、部活には間に合うから行くみたいな生活もしていて。そのくらいにバスケが好きでした。
佑の辛さもちょっと染みたという感じですかね。
山時:そうですね。行きたいのに行けない状況。僕は部活に行けていた方ですが、佑のように完全に行けない状況はやっぱり辛いなと思いました。
タイトルが90メートルということで、物理的な90メートルの正解はあるんですけど、佑にとって90メートルっていうのはどんなものだったと思いますか?
山時:縛られているというより、安心の距離だと思うんです。その中にいることでお母さんと関われる自分でいられるし、いろんなことに気が散ることなく、お母さんに目を向けられる。それを当たり前だと思っている範囲内が90メートルなのかなと僕は思います。
ジャガイモの皮が綺麗に剥けるようになっているなどの繊細な表現を演じられる上で、佑の変化を感じられたシーンはありますか?
山時:カレーを食べるシーンで、コップをスッと寄せてあげるじゃないですか。心境の変化というより、佑の介護への慣れみたいなものを感じました。コップも使いやすいように取手付きのコップになっていて、回想シーンを通じて佑が介護に慣れてきたことで柔軟な対応力が垣間見える瞬間がたくさんありました。あとバスケ部のマネージャー・杏花(南琴奈)に事情を打ち明けるシーンです。佑の心の中が語られる場面なので、台本を見た時も、佑はこう思っていたんだな、こういう風に変わったんだなということを理解しながら演じました。
監督の実体験をもとにしている作品はあまりないと思うんですけど、そういった作品に触れてみて何か感じたものはありましたか?
山時:最初は、大きなものを背負う、不安やプレッシャーのようなものがあったんですが、監督とお会いした時に、自分が後悔してしまった経験があるからこの作品で昇華させたいというような事をおっしゃっていました。でもこの僕が佑を演じてこの作品に関われたことで、監督の気持ちが少し楽になったり、救うことができるのかもしれないと、ふと思ったんです。監督のことを救える立場になれるというのはすごく不思議な感覚で、僕はこの作品を届ける覚悟と共に、監督の想いも乗せて届けたいという気持ちになりました。今までとはちょっと違う新鮮な感覚です。
実際にその方が撮っているっていうところで、緊張だったり、さっき仰ったような不安だったりはありましたか?
山時:作品を撮っている時はなかったです。監督もプレッシャーになると思ったのか、優しさもあってか、僕にそんなに自分のことを話さなかったんです。でも事前に監督のことは少し聞いていたので、脚本を読んでオーディションに参加した時はすごくプレッシャーを感じました。でも撮影の時は本当にワンチームでやっていたので、意識し過ぎずに演じられました。
みんなで作品を作り上げたということですね。
山時:そうですね。監督が「俺たちはチームでやっているんだから、満足できるまでやろう」と言ってくださって、そういう言葉からもチームという意識が現場で生まれました。撮影がない時は「寒いね」と言いながら、みんなで温かいものを食べたり話したりして、そういう時間も楽しかったです。
Z世代の皆さまに映画の魅力や、映画を通して伝えたいことをお願いいたします。
山時:佑と似たような境遇の子もいれば、そうじゃない子もいると思います。思春期でちょっと恥ずかしくて言えないこと、伝えきれていないことを大切な人に伝えられるように、背中を押してあげられるような映画だと思うので、10代の子には特に今伝えておく大切さや、親に感謝を伝えるきっかけになってくれれば嬉しいです。
Tel:03-6712-5946
取材・記事・写真:西村衣湖