劇場アニメ『パリに咲くエトワール』フジコ役の當真あみさん・千鶴役の嵐莉菜さんにインタビュー!
3月13日(金)公開の劇場アニメ『パリに咲くエトワール』でフジコ役を務めた當真あみさん、千鶴役を務めた嵐莉菜さんにインタビューさせていただきました。

・本作の見どころを教えてください。
當真:背中を押してくれるセリフやシーンがたくさんあって、フジコの存在に私自身もすごく勇気づけられた作品です。見てくださる方にとって、なにか新しいきっかけをくれるようなメッセージが込められているところが見どころだと思います。
嵐:千鶴のナギナタのシーン含め、パリの街並みと日本文化の融合はぜひ注目していただきたいポイントです。細かい描写や、実際に存在するパリの街並みも本当に美しくて、オペラ座も絵とは思えないほどのスケールと迫力があるのでぜひ映画館で観ていただきたいです。
・完成した作品をご覧になって一番印象に残っているシーンを教えてください。
當真:ナギナタが出てくるシーンがすごく印象的でした。ハッとさせられますし、千鶴のより強い姿が見られるので好きです。
嵐:フジコが夢を追いかける過程で葛藤するシーンが印象的でした。あみちゃんのアフレコを見学させていただいたときに実際に演じていたのがこのシーンだったので、作品が完成して、フジコの口からあのとき圧倒されたセリフがでていることに感動しました。
・當真さんは二度目、嵐さんは初めて声優に挑戦されたとのことですがアフレコではどんな点を意識されましたか?
當真:私は一番最初に録ったので、まだみなさんの声が揃っていない状態で演じるのが少し難しかったです。みなさんの声を想像してアフレコに挑んだのですが、会話するシーンはどんなテンションで声を乗せたらいいのかすごく考えて演じていきました。
嵐:普段のお芝居は表情やしぐさで表現の幅がありますが、今回は声の表現がすべてだったので、最初はどうやって声に感情を乗せていけばいいのか苦戦した部分もありました。声を録る前に、走ったり、ナギナタを振ったり、そのシーンの動きを実際にやってみることで、そのまま声を通してる伝わってくれるという新しい学びを重ねていきながら進めていけたと思います。難しかったですが、すごく楽しくて、また挑戦したいなという気持ちです。
・演じられたキャラクターとご自身との共通点、または違った点はありますか?
當真:フジコはすごく明るく活発な女の子で、私はどちらかというと千鶴のようにあまり勇気を出してなにか発言することができないタイプなので、似ているところはあまりなかったのですが、そこが彼女の魅力的な部分だなと思いながら演じていました。ですが、異国の地に出向いて夢を追いかけたり、楽しんでいる姿というのは、私自身沖縄から上京してきたという過去が重なって応援したくなるような気持ちになりました。
嵐:私もどちらかというとフジコに近い性格なので、よく二人で「逆だね(笑)」と話していました。私は、思ったことを表情や言葉に出してしまうタイプなので、千鶴とは違うなと思いつつも、幼少期にバレエを習っていたことや、負けず嫌いな部分は似ているなと思います。
・當真さんは劇場アニメの声優作品が二作目となりますが、前作と比べての違いや、過去の経験が生きたなと感じる部分はありましたか?
當真:前作で演じたのは引っ込み思案の女の子で、監督のアドバイスもあり等身大で演じることができたのですが、今回のフジコは性格が180度変わって、すごく明るい女の子だったので、フジコのパワフルさや力強さも声でしっかり表現できるように意識していました。自分が普段やらない動きのシーンでは、実際に身体を動かしてみてから挑んでいました。
・前回の経験がすごく生きた収録だったんですね。
當真:そうですね。二回目といってもまた全然作品が違うので、緊張もしましたし新鮮な気持ちもありましたが、一度経験したことが知識として備わっていることで、その分自主的に考えられることがたくさんありました。
・嵐さんは声優初挑戦とのことですが、なにか参考にされたり、どなたからかアドバイスを受けたりされましたか?
嵐:あみちゃんの収録を見学させていただく機会があって、声の当て方だったり、フジコがつくる作品の世界観だったりというのをそこで学ばせていただきました。初めてで不安な気持ちが大きかったのですが、ご一緒できることにすごく喜びを感じて、あみちゃんと一緒にフジコと千鶴の世界観を作っていけたらなと思いました。
・その際にお二人はなにかお話されたのですか?
當真:この作品を録ったのが、ドラマ『ちはやふる-めぐり-』で共演する前だったので、ほぼ初対面の状態でした。ドラマの準備で一、二回会う機会はあったのですが、一気に距離を縮めるというのが難しくて、お互い探り探りで当たり障りのない会話をしていた記憶があります(笑)
・今回のご共演で見つけたお互いの新しい一面はありますか?
當真:本作ではお互い普段とまったく違う声の出し方をしていたので、莉菜ちゃんの性格を知ったうえで作品を観るとまた新しい感覚になりましたし、もしかしたら普段見ている明るい姿のほかにも千鶴のような一面もあるのかなと思いました。
嵐:真逆の性格のキャラクターを演じるというのは、二人とも新しい挑戦だったので、あみちゃんのことを知っていくなかでフジコを見ていると、本当の性格というのがよく分からなくなっていく部分がありました(笑)
・ご自身の性格が、キャラクターを演じるうえでのヒントになったエピソードはありますか?
嵐:なにか嬉しい出来事があったときに声にパッと気持ちがでてしまうタイプなので、そこをコントロールしたり、「千鶴だったらどう喜ぶだろう」と、似ていないからこそ役と向き合う機会を多く持つことができてよかったなと思います。
當真:共通している部分は少なかったですが、すごく魅力的な女の子だったので、フジコはこういう子であってほしいなという想いを込めながら演じていました。ただ明るいだけではなくて、芯がしっかりしていて強い女の子。悩むときもあるけれど、「実はそんな弱さを見せないようにしているんだよ」みたいなイメージや理想を詰めていました。
・二人とも夢を抱いてパリに行くキャラクターで、共感するところが多かったと思うのですが、とくに響いたセリフや魅力的に感じたシーンを教えてください。
當真:フジコが「やりたい事をやってから考えればいいんじゃないかしら?」というセリフがあるのですが、なにかに恐れて前に進めないというときにハッとさせられる言葉ですし、そんな考えを持つフジコの力強さもかっこいいなと思いました。
嵐:千鶴がフジコに言った、「エッフェル塔みたいに、背が高いのもいいなァって」というセリフです。千鶴がお母さんに「この子背が高いでしょ?お国じゃ嫁のもらい手もいないと思って」と言われて、高い身長をコンプレックスに感じていた部分があったので、このセリフから千鶴が自分のコンプレックスにも前向きに捉えられるようになっていると、心の変化を感じることができてすごく意味の込められたセリフだなと思いました。
・二人ともすごく芯があって強いキャラクターですよね。
嵐:これは二人の共通部分で、なにかのために全力を尽くせる子たちだなと思います。
・キャラクターに対して素敵だなと感じた部分も多かったのでしょうか?
當真:親元を離れて、慣れない環境に置かれても明るく前向きに生きている姿というのは、時代背景を問わず、今を生きる私たちに勇気を与えてくれる存在だと思うので、「こんな風になれたらいいな」とたくさん思わせてくれました。
嵐:フジコは自分のことのように応援してくれる子で、千鶴は大事なオーディションの前にそんなフジコの顔を見に来るっていう関係性が本当に素敵でした。現実でも、顔を見ると安心できる人ってすごく貴重な存在だと思っているので、そういった存在を異国の地だからこそお互いが求めあっているのがすごく素敵な友情だと思いました。お互いの足りない部分を補えるような、バランスの取れたコンビで私も憧れました。
・本作では夢を追いかける楽しさだけではなく、苦悩や葛藤も描かれていましたが、お二人が普段周りと比べてしまったり、挫折を経験したときにはどのように乗り越えられているのでしょうか?
當真:フジコのような挫折を経験したことがあまりないのですが、これからなにか大きな壁にぶつかることはあると思うので、そのときはしっかり立ち止まってでも次に進める一歩を確実に見つけていきたいなと思っています。そのためにも今は、お芝居の知識を蓄えて色々な経験を積んでたくさん学んでいきたいです。
・普段から物事に対して前向きに捉えられているのでしょうか?
當真:あまり引きずるタイプではなくて、ずっと一人で抱え込むのは苦手なので母に電話をしながら話しています。相談というスタンスではなく、話しているうちに自然に自分の気持ちが整理できてくるので、誰かに聞いてもらうということが自分のなかではすごく大切だなと思います。
・嵐さんはいかがですか?
嵐:私は結構引きずってしまう性格で、十代の頃はネガティブなことが一日中頭から離れないことがあったり、今考えるととてももったいない時間の使い方をしていたなと思います。今はやっぱりそのただネガティブになっている時間が無駄だということが分かっているので、もちろん落ち込むことはありますが、ドラマを見たり音楽を聴いたりしながらリフレッシュできるようになりました。失敗をして落ち込んでも、この失敗を繰り返さないように、と自分の経験の一つとして捉えられるようになってからはあまり引きずることがなくなりました。
・これから挑戦してみたいことや、演じてみたい役柄を教えてください。
當真:四月から舞台の稽古が始まるのですが、映像作品とはまた違った世界ということで大きな挑戦になると思います。知らない世界だからこそ始まるまではすごく怖さもありますが、その分学べることもたくさんあると思うのでとても楽しみにしています。
嵐:今までやったことのない役に挑戦してみたい気持ちがあるのですが、一つは“悪い役”を演じてみたいなと思っています。あとはアニメの実写化であまり現実味のない役や、作り込まれた世界観のなかでお芝居してみたい気持ちもあります。あみちゃんとは二作連続で友情の物語をやっているので、逆にライバル関係だったり、手を組んでちょっと悪いことをするような役だったりに挑戦して、お互いの新しい一面が見えてきたら面白いなと、いつか叶えたい夢の一つになっています。
・『ちはやふる-めぐり―』でのご共演もありプライベートでも親しくされていると伺っていますが、普段どんなお話をされているのか、共通の趣味などはあるのでしょうか?
當真:最近は莉菜ちゃんに、二人が共通して好きなキャラクターのイベントに行こうよ!と誘いを受けました(笑)
嵐:好きなアニメも一緒で、趣味や感性がすごく似ていると思うので、これからもっと見つけていけたらなと思っています!
・憧れや夢を追いかける少女たちの姿が描かれた本作ですが、お二人が今のこの芸能界に入ると決めたきっかけや、抱いている夢について教えてください。
當真:きっかけは今の事務所の方に声をかけていただいたことで、まさか自分が役者という世界で生きるとは思っていませんでした。自分にできるのかという不安もありましたが、こんなチャンスをいただけたのはきっとなにかの縁だと思って挑戦することにしました。今は本当にお芝居が楽しいと思いながらお仕事できているので、この気持ちがずっと続くように自分にできることを模索しながら、色々なことを頑張っていきたいと思っています。
・沖縄から上京されたということで、環境の変化も大きかったのではないでしょうか?
當真:そうですね。私は三姉妹の長女で下に妹二人がいるので、とても賑やかな環境から一人暮らしになったときの差は大きかったです。知らない土地で過ごすことに最初は慣れない部分もありましたが、フジコと同じで「楽しい」という気持ちの方が強かったので、そんな環境のなかでも楽しめることや頑張れることを見つけながら過ごしていました。
・嵐さんはいかがでしょうか?
嵐:モデルになりたいという夢を持っていた中学二年生の頃に、もしかしたらこれをきっかけに夢を叶えられるかもしれないと思って始めたのがTikTokでした。そこでバズった動画を今のマネージャーさんに見つけていただいて、事務所に所属して、今のお仕事をさせていただいています。ViViのモデルをさせていただいていて、モデルになるという夢は叶えられているのですが、お仕事を通して色々な方に出会ったり、尊敬する先輩方の姿をみていると、やっぱり自分はまだまだだなと感じることばかりです。今はなにか大きな夢や目標を掲げているわけではないのですが、日々努力して小さな夢を着実に叶えていって、振り返ったときに「頑張ったな」と思えるような生き方をしていたいです。
・当時はTikTokも今ほど主流ではなかったと思うのですが、始めることに迷いはありませんでしたか?
嵐:最初はただ興味があるだけでしたが、友達に「やってみなよ!」と言われて投稿を始めました。最近は投稿頻度が落ちてしまっているのですが、当時は毎日のように動画を撮って投稿して、すごくひたむきに頑張れていたなと思います。
・夢を追うということは楽しいことばかりではないと思いますが、お二人が周りの反対を押し切ってでも大切にしたいことや信念のようなものはありますか?
當真:反対をされるような、そこまで大きな挑戦をすることを得意としていなかったので、今こうして支えてくれる方がいる状況がすごくありがたいなと思いますし、期待に応えながら頑張っていきたいという思いでお仕事させていただいています。私は「自分が今楽しいと思えているか」という気持ちを一番大切にしていて、なにをするにしても自分が楽しいと思える状況にいないとその物事に対するやる気が薄れてしまって向き合えなくなってしまいます。なのでこのお仕事に対しても、ずっと今の楽しいと思える気持ちを持ち続けるためにはどうしたらいいか、ということを考えながら日々取り組んでいます。
嵐:私は優柔不断な面があって、なにか迷ったときにすぐ人に相談したり意見を求めてしまうのですが、ちゃんと納得できるように最終決定は自分でするということを大切にしています。自信がなくて挑戦しないということも昔はありましたが、「やらずに後悔よりやって後悔」というように、自分の素直な感情に従って前向きに捉えることができるようになりました。なので周りからなにを言われたとしても、自分がそれに対してどう思うか、自分の感性を信じて選択できるようになったことで救われたことが多くあるなと思います。
・最後にこれから作品をご覧になるZ世代のみなさんに一言お願いいたします。
當真:本作は夢を追いかける若者の姿を描いています。夢を追いかけるということは難しくも楽しいことなんだ、というのが丁寧に描かれていますので、今夢を追いかけている途中のみなさんもこの登場人物たちのように、ぜひ諦めずに挑戦を続けて欲しいなと思います。この作品を通してそんな勇気を届けられたり、なにか背中を押すことのできるきっかけになればいいなと思いますので、ぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです!
嵐:フジコと千鶴のように夢を追いかけている方や、壁にぶつかって葛藤している方にぜひ届いてほしい作品だなと思います。背中を押してもらえるようなフジコのセリフだったり、一度決めたら芯をもって立ち向かう千鶴の姿だったり、性別や年齢問わず共感していただける部分が本当に多くあると思うので、美しい映像や音楽とともに劇場で体感していただけたら嬉しいです。観ていただけたらぜひSNSなどを通して感想をきかせていただきたいなと思います!
作品概要

當真あみ 嵐莉菜
早乙女太一 門脇麦 尾上松也 角田晃広 津田健次郎
原作:谷口悟朗・BNF・ARVO
監督:谷口悟朗
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:近藤勝也
配給:松竹
©「パリに咲くエトワール」製作委員会
Tel:03-6712-5946
取材・記事:根市涼花
撮影:セナ