ChatGPTの登場によってさらなる注目を集めたAI。
その力はテキストだけにとどまらず、画像から動画まで幅広い媒体で頭角を表してきました。
では、Z世代はどう捉えているのでしょうか?果たしてクリエイティブはAIに取って代わられてしまうのでしょうか?
目まぐるしく変わるAIの実態とクリエイティブ、そしてZ世代との関わりについて、最新情報を連載します。
第1回となる今回は、AIの威力とZ世代の受け取り方について、データをもとに紐解いていきます!
先進国こそ、思考力を求められる仕事こそ、AIと向き合う必要がある
AIはそもそも、「人が実現するさまざまな知覚や知性を人工的に再現するもの」として定義されているのをご存知ですか?特に、人間の仕事が奪われるかもしれないといった議論は耳にタコができるほどよく聞きますよね。IMF(国際通貨基金)のレポートによれば、先進国である日本はプロフェッショナル職、すなわち肉体労働ではないデスクワークを中心とした職業への影響が大きいと見込まれていることが明らかになりました。
出典:Gen-AI: Artificial Intelligence and the Future of Work, Mauro Cazzaniga et al., IMF, 2024
各国の職業形態別に、AIの補完可能性をまとめたもの。発展途上国のインド(図表右)では農業や基本的な作業を伴う職業の人数が多く、また同時にAIに補完される可能性も低いことがわかる。一方で、先進国のイギリス(図表中央)ではプロフェッショナルやマネージャーの職業が多く、それらの職業は補完される可能性が極めて高いことが示されている。
生成AIは特にホットなトピックで、成長スピードも凄まじい
生成AIに大きな注目が集まった一つのきっかけは、2022年11月のOpenAI社によるChatGPTの発表と、2023年1月にスイスのダボスで開催された「世界経済フォーラム(WEF)」です。これを皮切りに、次々と生成AIのサービスが出現し、2023年の5月には日本政府が初めてのAI戦略会議を開催しました。このように、凄まじいスピードで技術開発・ガバナンスや法整備が同時に進んでいるのです。
生成AIとは、学習データから文章、画像、音声などの一見新しく現実的なコンテンツを生成することができる、一連のアルゴリズムのこと(BCGより)。テキストデータの領域ではChatGPTが圧倒的王道を貫いており、その次にGoogleが開発したGeminiが有名。画像の領域では、Stable DiffusionやMidjourneyが、そして動画の領域では、LumaAIやRunwayが台頭している。また、将来的にはOpenAIが開発した「Sora」が一般向けにリリースされる見込み。
(参考:BCG)
では、このようなAIの威力をZ世代はどのように受け止めているのでしょうか?クリエイティブツールでお馴染みのAdobeが調査したレポートを中心に見ていきます。
出典:Adobe
上の図表は、Adobeが全国の15歳〜65歳の男女900名を対象にした実態調査の結果です。見るとわかるように、生成AIを生活の中で見る比率は全世代の中でZ世代が最も多く、また印象についても「おもしろいコンテンツ」を期待していることがわかります。
すなわち、Z世代と生成AIの距離は近く、好印象を持っている上、おもしろいコンテンツを期待していることから、Z世代市場に対するAIクリエイティブの可能性は潜んでいるのだと言えます。
次回は、「AIクリエイティブの可能性」について、媒体別にどのような活用方法が考えられるのかを、事例とともにご紹介します!
Tel:03-6712-5946
記事:坂本健斗
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