Z世代のトレンドメーカー JK(女子高生)
そんなJKの間で今、顔隠しフォトが流行していることを存じですか??
Instagramを中心に多く投稿されている顔隠しフォト。
人物を映した写真にも関わらず、なぜ顔を隠して投稿するJKが増加しているのでしょうか。
SNSへの向き合い方の変化や、加工に対するイメージなど、時代によって細かく変化する流行を考察しました。
この投稿をInstagramで見る
2016年から2017年にかけて大流行した自撮り加工アプリ「SNOW」
ねずみや犬など可愛らしい動物に変身できるスタンプから、顔が変形したり2人写すと互いの顔が交換されるなどの面白いスタンプまで、瞬く間に中高生の間で必要不可欠なアプリとなりました。「SNOW」の人気に伴い、ノーマルカメラで自撮りをする機会が次第に減少していったこの時代に、SNSに投稿する顔写真を加工するのは当たり前という新しい価値観が生まれたと考えられます。その後、「SNOW」に続く顔加工アプリが多数誕生し、個人によってお気に入りのアプリが固定されたことや加工の度合いに差が生じてきたことで、加工に対する考え方にも多様性が生まれてきました。
加工は当たり前という考え方が定着されていった反面、実際の顔と一致しないレベルの重加工に対してSNSでの風当りはとても強いものとなり、次第に 加工=ズルい、無加工=正義 といったような風潮に変化していきます。
その結果、人々は加工を施していないノーマル写真に強くこだわるようなり、加工をするとしても肌修正や多少の小顔編集など極力実際の顔と差を感じさせない弱い加工を好むようになりました。
2023年頃からZ世代の間で大流行しているSNSアプリ「BeReal(ビーリアル)」は、一切加工がされず、後から加工することもできずまさにリアルな状態がそのままSNSに投稿されるアプリです。そんな「BeReal」がZ世代の人気アプリとなった背景には、上記で解説したような顔加工における流行の変化が関係していたのではないでしょうか。
この投稿をInstagramで見る
そして2024年現在。
JKのTikTokやInstagramを中心に多くみられるようになったのは、モザイクやスタンプなどの加工、本やスマホなどのアイテムを利用して顔を隠す、顔隠しフォトです。メイクやナチュラル加工など、顔をよくみせる工夫が追求されてきたなかで、なぜ今顔を隠す写真がトレンドになってきているのでしょうか。
顔を隠す写真がトレンドになっていることには、「ルッキズム」と呼ばれる外見重視主義の考え方が強く関係していると考察しています。
SNSの普及によって、他者と比較する機会が増えたことにより自身の外見に自信を無くしてしまう若者が増加。
また、TikTokに載せた動画一本でも簡単に芸能人と同じように注目を集めることが可能になったことで、おそらく人生で受けたことがないほど残酷な、外見に対する心ない言葉を投げかけられるケースも多く見られています。
さらに、今の時代顔がでているというだけで本名や所在地、通っている学校までも特定されてしまう恐ろしさもあります。
「ルッキズム」という思考の支配により自分の顔に自信が持てなくなってしまったこと、そして不特定多数の人が見られる場で顔を公開するリスクに対する危機管理能力が高まっていること、この二点が顔隠しフォトが流行している理由だと推測しました。
Tel:03-6712-5946
記事:根市涼花