Instagram7.2万人フォロワー
「推し活応援メディア」と
推し活専門オンラインストア
「推し活モール Oshicoco」を運営する
株式会社Oshicoco。
3月には定期的に開催される
POP UPが控えている。
今回は、日本一「推し活」に強い
「Oshicoco」の実態を知るべく
代表取締役・多田夏帆さんに
インタビューをしてきました!
なぜ「Oshicoco」が誕生したのか、
多田社長のバックグランドを含めた
会社創設に至るまでの経緯や事業内容など、
多くのことを語ってくれました。
「Oshicoco」編集長兼代表の多田夏帆と申します。フォロワーさん達には「ほた」と呼ばれています。大学時代は女性向けのWebメディア「MERY」で働いていました。大学4年生の中頃からOshicocoの構想を考え、株式会社Oshicocoを2022年1月1日に会社をスタートさせました。今年に入り、ちょうど2年目が始まったばかりです。
私自身、子供の頃から本当にオタクで、オタクと言ってもマニアックなタイプのオタクでした。ジャニーズなども好きでしたが、それとは別で新選組や戦国武将などの歴史的なものが凄く好きで、聞いてる音楽もRADWIMPSやボーカロイドが流行ってる横で70年~80年代のロックンロールばっかり聞いているような子供でした。
ー多田さん自身、世間の流行りとは別軸でマニアックなものが好きだった理由は?
子供の頃は世間一般と同じでメジャーなモノが好きな子でした。ただ小さい時から”本の虫”だったので、図書館でずっと小説や図鑑をたくさん読んでいたんですよね。そういうものから自分で掘っていったことがキッカケだと思います。小説を読んでいたら、その中に新撰組が出てきてすごい大好きになり、新撰組の資料を図書館で読み始めるみたいなことがあったり、博物館へ行ったりしていましたね。子供の時からそんな「好きなものを知りたい!」という知的好奇心みたいなモノが強かったので、こうしてマニアックなものにハマって行ったんだと思います。
ー他の人達よりも見るものの量や視野が広かったからこそ、マニアックなモノにハマっていったんですね。
私自身が、それぐらいオタクだからこそ作れるコンテンツやサービスがあると思っています。「このオタクという分野では同世代の誰にも負けない!」という気持ちは強いですね。それほど自信が持てるのは、本当に子供の頃から見てきたコンテンツの量が異常だったからだと思います。そんな私だからできることが絶対にあると信じて「Oshicoco」が誕生しました。
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私自身オタクということもあり、子供の頃からずっと「誰かとこの好きを共有したい」「私の様なマニアックな物が好きなオタク達が繋がる何かが欲しい」という思いが強く、それが今の「Oshicoco」の構想に結びつく形になりました。
また私が高校時代に辛い体験をしたことも「Oshicoco」創設に繋がりました。高校生の頃は本当に人生で一番辛い毎日を送ってたんですが、そういう時に限って家族や友人には大切だからこそ話せなかったんですよね。そんな時に最後の救いとなったのが「コンテンツ」だったんです。
そんな辛い時に「推し」に救われた経験があったこともあり、私なりに今の世の中に貢献できる事ってなんだろうと考えた時、「推し活」が世の中の人々の自己肯定感を上げていくのに有効なんじゃないかなと思い、「Oshicoco」の設立に至りました。
人間が何かから立ち直るときって、絶対自分1人の力で立ち向かわなきゃいけないと思うんです。それこそ若者が今SNSが広まって自己肯定感が下がりがちな日々を送っている中で、そんな風に落ち込んだ瞬間、その支えになるものって「コンテンツ」「推しだな」って私自身感じています。
また、今の高校生達ってコロナの影響で、私たちが過ごしてきた時代よりも青春の思い出が少ないのでは無いかと思っています。それこそ体育祭がない、文化祭がない、部活も勉強もコロナで思うようにできない。そんな生活の中で「推し活」って本当に救いだと思うんですよね。
私たちの様に「推し活」が人生において一番大事なことだ!って考えてる会社って少ないと思っていて、それこそサブ事業としてやられていたり、流行りに乗ってやる企業さんが殆どで。私たちは「こっちは本気だよ!」と言えるくらい、オタクの気持ちを一番理解できる企業だと思っています。
ーお話を聞いていると日本で一番オタクに強い組織になる将来が見えますよね。ちなみになぜ「Oshicoco」という名前にしたのでしょうか?
「推し活」に関するヒトやモノの情報は全て「ココに集まる」。「推し活」に関する情報や悩み、何か困ったことがあったらココを見ればいい。対企業、対消費者に対してそういう存在になりたかったので、「Oshicoco」と名付けました。
ー会社2年目突入との事ですが、現在社員数はどのくらいなのでしょうか?
私(25歳)と同い年1名、2個上が最年長で1名、あとは1個下が4名、インターン生2名の合計9名です。社員はみんなZ世代の同世代で若い会社だと思います。
事業は、〈BtoC〉で通信向けの通販とメディア、〈BtoB〉で企業向けコンサル業の2軸があります。
ー〈BtoC〉ー
〈BtoC〉では、「推し活に関するメディア運用」と「グッズの販売」をしています。元々は「推し活グッズ」を販売したくて、いきなり通販を始めても人は来ないので、まずは認知と顧客獲得を目指し「推し活に関するメディア運用」を始めました。
ーオーダー商品など様々な商品を販売されていると思うのですが、商品の販売パターンはどの様なものがあるのでしょうか?
商品の種類は3パターンあります。弊社で作ってる商品と、委託販売の商品です。他にも、弊社が企画とデザインをやって製造だけを頼んでいるパターンもありますね。
ー購入者が一番多い年齢層を教えてください。
一番多い年齢層は20代前半~30代前半ぐらいの層ですね。多分皆さんが思ってくださってるイメージよりは意外にちょっと上かなと思います。社会人になってから、お金が自分の自由に使えるという点で、通販だとその傾向が顕著に出ていますよね。インスタのフォロワーさんも実は20代半ばぐらいの層が一番多いです。
でも世代論で層を括るよりも、ターゲットは「オタク」です。蓋を開けてみると他には40代50代のお客様もいるので、もう「オタク」はみんな仲間ですよね。
ーどのアイテムが人気なのでしょうか?
やっぱりクッキー、ケーキなどの「お祝いグッズ」ですね。〈推しの生誕祭〉に向けたモノが一番の売れ筋ですね。
ー〈BtoB〉ー
〈BtoB〉では、コンサルティング系をしています。エンタメ企業様には「今の若い女の子の推し活の実態について」をお話して一緒に企画を行うこともあったり、大体プラットフォームをお手伝いさせて頂くことが多ですね。また、メディア運用していく中で様々なインフルエンサーさん達やオタク人気のカフェさんなど、自然に仲良くなっていったので「推し活業界」の中での繋がりが広がりました。そこを起点にインフルエンサーと一緒にPR事業の様な事も行っています。
どちらも同じくらい注力をしていて、ビジネスモデルで言うと〈BtoC〉で顧客だけでなく人や情報を集め、それを〈BtoB〉に向けてコンサルティングという形でマネタイズしています。
やっぱりこの2軸で事業を行っているからこそ見えてくるものがあって、やっぱ〈BtoB〉でいろんな方のお話を聞きながらそれを〈BtoC〉に生かしたり、toCのみんなの反応を見ながらそれをtoBに生かしたり、なのでやっぱりどっちもやってることが一番。メディアがこのグッズのプロモーションみたいな部分にもなってるよね。大変だなって言われるんですけど実はそれが一番効率的だったりもします。
ー売上はずっと右肩上がりという印象がありますが、いかがでしょうか?
去年に比べ、12月末時点で売上は33倍程伸びました。現在〈BtoC〉より〈BtoB〉の方が売上が多いのですが、やはりビジネスの面になると動く金額は大きいですよね。
今年の目標は、世界進出です。世界を相手にできる会社になりたいと思っています。私自身K-POPのアイドルも好きで、あの子たちってなんであんなに世界に羽ばたけているのかって考えた時に、最初から海外進出を目指してるからなんですよね。その姿にずっと感銘を受けていて、自分の仕事もそうしたいと思っています。最初から世界を視野に入れていないと世界進出はできないですし、目線が下がってしまうということはしたくないです。
今年の海外進出を目指し、今は海外企業にたくさん営業をしています。何かしら、海外企業と一緒にイベントを開催したいですね。
ー「Oshicoco」海外進出を目指す理由とは?
日本が世界で戦えるモノって、代表的なものを言ってしまえば「食」と「オタク文化」だと思っています。「Oshicoco」は、日本のコンテンツを世界に持っていきたいですし、逆に世界のものを日本へと、将来的にはそんな海外と日本の文化交流を作れる会社にもなりたいと考えています。
ーまずはどこの国と開催してみたいですか?
まずはアジアですね。今は台湾や韓国、その辺の企業に営業をかけているのですが、意外に返事をいただいている状況ではあります。
ーイベント開催をするなら現地?SNS?
日本で開催されているコミケ(コミックマーケット)の様に、海外にも「アニメイベント」や「オタクイベント」がたくさん開催されています。そういうとこにまずは出店をしたいと考えています。海外でやると考えると資金も大変なんですが、頑張りたいですね。
ー定期的にポップアップを開催されていますよね。まず場所決めはそうされているのかをお聞きしたいです。
いろんな商業施設さんからお声がけを頂く中で、社内で「ここでは絶対やろう!」となるとこもあれば迷うとこもあり、その時は商業施設の名前は出さず、そのエリアで行く場所をフォロワーさんに聞くようにしています。
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「渋谷でよく行く建物は何?」「新宿でよく行く建物は何?教えてください!」
結局、フォロワーさんが行きやすくないと意味がないので、その施設名が多く上がってきたらやる、でて来なかったらやらない。そんな形で場所を決めるようにしています。
ー自分達の価値観ではなく、実際にフォロワーにヒアリングして動いているんですね。ポップアップの様子はどんな感じなのでしょうか?
私たちが今まで新宿、渋谷、池袋で開催したポップアップには、10代の子達が学校帰りや部活帰りに制服で来てくださいました。他にも毎回多くの観光客の方が来てくださいますね。それこそ通りすがりで見てくださり、韓国語や英語で接客することもありましたね。
インフルエンサーさんとイベントを開催した時も、旅行の日程をそこに合わせてイギリスから来てくださった方もいらっしゃいましたね。やっぱり海外にはまだ日本の「可愛い」×「推し活」の「可愛いオタク文化」は本当にまだ無くて珍しいみたいで、すごい喜んでくださいます。
ー海外の方はどういったアイテムを買っていくのでしょうか?
「トレカケースにデコるためのデコパーツを選んで買える」みたいなことを以前やったのですが、人気でしたね。最初はやはりやり方が分からない方が多かったので英語で説明して、その後はすごく楽しんでお買い物をしてくださいました。
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それこそ友達同士で選んだり、お母さんお父さんに聞きながら選んでいる海外の旅行者が多かったです。その様子を見た時、国とか関係なく皆好きなものに対する情熱は世界共通なんだと思いました。
今回のテーマは「和ロリ」です。「和ロリ」は、「和」と「ロリータ」を掛け合わせた言葉です。私達が今なんとなくやりたいことを話していった時に、「ロリータが着たい」「チャイナ服が着たい」「かわいい着物が着たい」などの案が出てきたんです。今はようやくコロナが少し落ち着いてきて、ちょっとコスプレみたいな事をしてお洒落してお出かけしたい気持ちがあるんですよね。これから春先で、春や桜を絡めたいこともあったので、「和風なもの、ロリータ、レースフリフリでかわいい!」そんな世界観をミックスしたものにしようと決めたテーマです。
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ーみんなが活きているオタクだからこそ、同じ感覚でやりたい感じなんですね。
そうですね。毎回ポップアップを開催する際は、「今私達がやりたい!と思うことやろう」と話しています。私たちも今を生きる若者ですし、私たち女の子が今なんとなくやりたい感覚をすごく大事にしています。ガチガチにマーケティングっぽくやってしまうより、「これやりたくない?」っていう若者の感覚をとても大事にしています。
1998年生まれ。早稲田大学文化構想学部2021年卒。オタク歴10年以上、生粋の「オタク」であり、主に日本史、城、 80年代UKロック、タイドラマオタク。女性向けWebメディア「MERY」で年間1位PV数トップライターになる。その後、ライター100人のマネジメントを行う。・好きに熱量を糧に生き、「推し活という新たな生き方」が肯定される世の中を作る べく、Oshicocoを立ち上げる。
インタビュー・記事:竹井 裕香