日本のポピュラーカルチャーであり、現在世界中の人々に読まれ愛されている「漫画」。従来の主流のマンガといえば『週刊少年ジャンプ』や『りぼん』、各漫画の単行本といった紙に印刷された漫画です(以降紙漫画と表記します)。皆さんも一度は書店や古本店などで手にしたことがありますよね。
しかし私たちの生活がデジタル化していく中で新たに誕生した媒体があります。それは「まんが王国」や「めちゃコミック」「コミックシーモア」といったインターネットを介して漫画を読むことのできる電子書籍です。電子書籍の利用数や認知度は年々増加しており、昔は紙でマンガを読んでいたけど、今は電子書籍でしか読まない!という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしその一方で未だに多くの紙漫画が書店で販売されており、全く紙媒体の需要が無くなったとは断言できません。一体紙マンガと電子マンガはどちらのようがより需要があり、それぞれどのような役割を果たしているのでしょうか。そこでZ世代の意見から、紙マンガと電子マンガの需要を紐解いていきたいと思います。
一体紙マンガと電子マンガはどちらがより需要があるのでしょうか?よくマンガを読むというZ世代50人を対象にアンケートを実施しました。
なんと電子マンガ派と紙マンガ派の意見がほぼ拮抗する形になりました。デジタルネイティブと言われるZ世代に電子マンガ派と同等の人数紙マンガ派がいるということは少々意外な結果にも思えます。それではなぜ紙マンガ、電子マンガを選んだのか、それぞれの意見をピックアップしていきたいと思います。
まず紙マンガの需要についてです。紙マンガの魅力といえば、当たり前ですが「現物があること」でしょう。現物があることで読みたいページをすぐ開くことができます。その他にも書き込みや切り抜きができたり、気軽に友人と貸し借りができる、最終的に売るなどして手放すことも可能と、実用的に使うことができるのも紙媒体のメリットとも言えるでしょう。
実際に寄せられた意見の中では
「電子マンガではズームしなければ読みにくい部分も紙なら問題なく読める」
「読んでいる感じが好き」
という意見が最も多く寄せられました。
紙マンガ派の多くは「実物がある」ということに大きくこだわりを持たれているようです。
そして電子マンガの需要についてです。電子マンガの魅力といえば気軽に購入することができる点でしょう。1つのタブレット端末で完結すること、いつでも読めること、そして安価で購入できることなど電子媒体特有の気軽さが本来の漫画読者の幅を更に広げています。
実際電子マンガ派の意見として寄せられた意見には
「安いから」
「いつでも気軽に読めるから」
といった意見もありましたが、
電子マンガ派の意見の中で最も多かったのは
「本はかさばるため電子マンガに利用を切り替えた」
「紙マンガをこれ以上家に置けないから」
という紙媒体のマンガを絡めた意見でした。
つまり電子マンガからマンガを読み始めたという人よりも、本来紙マンガを利用しているという方が電子マンガを併用しているというケースの方が多いということが推測できます。
そして電子マンガ派の中には「基本的に電子マンガ派だが、特にお気に入りの作品は紙の本を購入する」という意見もありました。紙マンガには電子マンガには無い描きおろしや特典などがセットになっていることもあるため、実際には紙マンガの人気はまだまだ廃れていないことがわかります。
調査の結果、あえて優劣をつけるなら現時点の人気は紙マンガが優勢!という結論に至りました。
しかしそれぞれのライフスタイルに合わせて読むマンガの形態も変化しており、
気軽に読むことができ紙マンガ読者からも新たにマンガを読み始めた読者からも利用されている電子マンガ、
そして実物を楽しんで読め、電子マンガにはない特典や書きおろしなどもある紙マンガのどちらもマンガには欠かせない存在であることがわかりました。
あなたは紙マンガと電子マンガ、どっち派ですか?
鹿野七々華(Youth Clip編集部)