2022.12.06
Z世代のトレンドは、移り変わりの速さが大きな特色。
ネット上に溢れる多くの情報を当たり前のように取捨選択している「SNSネイティブ」の彼らにとって、トレンドとは命の短い生モノとなっております。
そのため、企業にとって「毎週更新されていくトレンドをキャッチして、コンテンツに落とし込むハードル」は高いものとなっており、トレンドリサーチにもかなりのカロリーを要するようになりました。
YOUTH Clipでは、「SNS最新トレンド」を毎週レポート報告いたします。
2022年11月29日~12月6日のトレンドを、若者の傾向や流行った背景とともにご紹介。
『世界初SHEIN常設店舗』
多くのアパレルブランドがオンラインショップを展開するようになったり、ネット上だけのショップができたりするなど、今では生活に欠かせなくなったネット通販。
そんな中で今急成長しているのが、中国アパレル通販サイト「SHEIN」です。
アメリカでは、2021年5月に「最もダウンロードされたショッピングアプリ」として選ばれ、あのAmazonを抜きトップに立ちました。
日本へは2020年末にサービスを開始されましたが、たった2年ほどでZ世代を中心に知名度をあげ、2022年4月時点では日本の登録ユーザーは200万人にも及ぶそうです。
そんな世界的に最も注目されているブランドの1つである「SHEIN」が、遂に日本に世界初の常設店舗をオープンしました!
ここまで急成長を遂げたSHEINの魅力とは何なのでしょうか。常設店舗ができたことを機会に考えてみたいと思います。
私が思うSHEINの魅力は2つあると思います。
①圧倒的な安さ
SHEINの最大の魅力はなんといっても圧倒的な安さ!!
SHEINの平均価格は1400円から2900円といわれています。例えば、Tシャツは500円程度、アクセサリーやスマホケースは100円前後など他とは比べられないほどの安さです。なぜこのような安さで売ることが可能なのでしょうか。
その理由は2つあると思いました。
1つめは、「人件費を最大限削減することができるAI技術を取り入れていること」です。
SHEINは、商品の販売状況を常にモニタリングすることで、どんなものが売れているのか?需要があるのか?など、AIがすべて分析をしているそうです。このシステムがあることで、トレンド分析をするマーケティング部のような人材が不要となり、人件費を削減しています。
2つめは、「企画開発から発売までがとても短い」ということです。一般的に、企画開発から発売まで2~3か月はかかるといわれていますが、SHEINはなんと2~3週間!!
できるだけ手間を省き、高速サイクルを形成し、圧倒的な安さを誇っているのです。安さを追求したことで、今までは考えられない破格のアパレルブランドとなり、人気を誇っています!
②商品の種類の豊富さ
SHEINの1日の間に発売する新作の種類は25000点を超えると言われています。
この数字は、ファストファッションとして有名な「ZARA」の1年間の新商品数と同じ程だそうです。
この種類の豊富さというのがZ世代に刺さったポイントであると考えました。
今、Z世代の多くは「骨格診断」や「パーソナル診断」をもとに洋服を選んでいます。
例えば、昨年流行った「マーメイドスカート」。
Z世代を中心に検索数が急上昇したことが分かります。
次に「マーメイドスカート」にかけ合わせた検索ワードを見ていきます。
「骨格」についての検索が多いことが分かりました。やはり世代は以下のような診断をしたうえで、自分の骨格をもとに洋服を選ぶようになったのですね。
商品の種類が豊富ということは、多くの人たちのニーズに合わせられるということでもあります。これがSHEINがZ世代の心をつかんだ理由であると思います。
そんなSHEINですが、2022年11月13日に東京・原宿に常設店舗「SHEIN TOKYO」をオープンしました。
この店舗はショールーム形式で、商品の値札にあるQRコードをスマホでスキャンしてネット通販のページで購入するという形をとっています。
今まで届いてからしかサイズ感や素材が分からなかったため、実際に確認をしてから購入できるのはネットのみのブランドのデメリットをカバーした新しいやり方だと感じました。
世界的に急成長を遂げているアパレル通販サイト「SHEIN」。
唯一無二の強さをもったSHEINがどこまで売り上げを伸ばしていくのか気になります!
また、S実際に店舗を持たないブランドらがどこまで力を伸ばしていくのか、また、SHEINのようにショールーム形式の店舗をもつブランドが増えるのか、これからも動向を追っていきたいと思います。
記事:岡田花梨(YOUTH Clip)