2023.06.28
今世間から最も注目されている「Z世代」。
そのZ世代に絶大な人気を博す「くれいじーまぐねっと」や「わたげ」など有名インフルエンサーの
タレントプロデュース&マネジメントをされているスターレイプロダクション 執行役員/ SRF 代表取締役社長 大城将さん。
インフルエンサー誕生の秘話や、ご自身が考えるタレントプロデュース論まで多くの事を語って頂きました!
6年前の28歳の時に、地元大阪から上京した時の仕事探しで最初に目についた求人が今の会社の求人でした。
直感ですぐに応募し入社が決まり、現在スターレイプロダクションの執行役員と関連会社の
SRFの代表取締役社長をしております。
未経験で今の会社に入社したんですが、エンタメ業界の裏方全般に興味はあったんですよね。
業界のことは何も知らないんですけど、「この業界は演者さんだけで成り立っているものではない」という
そんな印象だけはあって「成功されている演者さんには、それ相応の裏方さんがいるんだろうな」と感じていたんです。
逆をいえば「実力があるのに成功が続かない演者さんは、裏方の体制がうまく運んでないのかな」とか。
じゃあ自分がこの業界でどんなことが出来るのか、という未経験だからこその勢いと好奇心でこの業界に入りました。
入社2年目で、丁度くれいじーまぐねっとが始動したので自らYouTubeに着手し始めました。
当初は制作費の予算が少ない中で作っていたので、自分たちの理想に近づけようとすると、
その予算もはみ出していくんですよね。
今となっては笑い話ですけど、YouTubeの鉄板企画「1万円企画」を撮ろうとした時に
「この1万円ってどこから出るんですか」っていう不穏な空気が流れたんですよ。
「予算ないのにどうやって撮るんですか」って。
内容を変えるべきなのかすごく迷ったんですけど、タイミングを考えた時に「今やるべき」と判断して自分の財布から
なけなしの1万円を震えながら出したのは、今でも忘れられない思い出になっています。
もちろんこれは自分が勝手に判断しただけなので、会社は関係ありませんよ(笑)
「他者を肯定する」ということです。
価値観の話にもなるんですけど、自分の理解の範疇を超えた人との出会いとか出来事に直面した時、
そこに反発しちゃうとその先にはいけないんですよね。例えば理解できない人に出会った時
「好きじゃない」「だめだ」って思って、否定をしてしまうとそれ以上その人への理解は深まらない。
これは人に限らず、何においても自分の範疇を超えた時に「こういう出来事って起こるんだ」と肯定して
まず受け入れることが、今の仕事にも自分の人生にもすごく活きていると思っています。
自分の価値観を持たないことですね。
仕事においては自分の価値観って邪魔になることの方が多いので、
基本的には理解をどんどん深めていかないといけないと思っています。
我々の仕事って、ゼロから何かを作り上げて、まだ見ぬ人に届けていくっていうところだと思うんです。
その過程のリサーチや理解は、自分の価値観だけではやっていけない。
例えば、女子高生をタレントとして育てることになった時に、
こんなおっさんが自分の価値観で「JKとは…」みたいな話しをしても誰からの理解も得られないじゃないですか(笑)
それって、まず自分の持ってるものを捨てるところから始めないとダメで
「今時はこうなんだ」「こういう人もいるんだ」っていう反復とか繰り返しですよね。
仕事においては、そこを常に意識しています。
一番意識しているのは、所属タレントだけではなく全ての社員が「ここで働くことに価値がある」
と思えるような環境づくりです。世間一般のマネージャー業って、コキ使われるみたいなイメージというか
偏見があるように感じていて、私の思っている理想とすごく隔たりがあるんです。
だからそういうイメージを払拭していきたいというところが根本にはありますね。
実はマネージャー業って、プロデュースまでいかないにしても常に先導していけるような立場であるべきだと
個人的には思っていて。先導していくとなったら、相当な努力は必要なんですけど、
でもその努力が認められて評価されることが理想です。
そうなると裏方を目指して熱意を持って業界に入ってくる人もさらに増えてくると思うので、
それを大々的に世間にも発信していきたいと思っています。
それにはまず、いまのマネージャーがこの仕事に価値を見出して、それを堂々と発言できるような状態にしないと
伝わらないと思っているので、そういうところに力を注いでいきたいと思っています。
うちの会社は裏方を遠慮なくSNSやメディアにも出しますし、ホームページにはマネージャーの写真が掲載されているんですよ。
多くのホームページでは所属タレントは掲載されているけど、スタッフの情報って全く分からないですよね。
どんな人が仕事してるのか、どんなマネージャーがいるのか。
裏方志望の人にとっても、分からないことが圧倒的に多い業界だと思うので、
オープンな情報発信をこれからもやっていこうと思っています。
演者志望の人にとっても「あのタレントが入っている事務所」ということだけではなく、
「こういう人たちと仕事したいな」と、そこまで発展していくといいなと思っています。
発信できる場所が増えて、ファンの人たちとの距離も近くなった今、一貫性のある自分の考えや感情を直接的に伝える、
そういうコミュニケーションを大事にしている人は支持や信用を得ているのかな。
信用を得るということが、大事な要素の一つになってきていると思いますね。
今の話の続きにもなりますが、コミュニケーションや信用を得るための発言、振る舞いは大事だと思います。
そこを大切にしている人たちがコアなファンを多く抱えている印象ですね。
直接コミュニケーションを取れる場所があるっていうのが、昔と今の大きな違いだと思うんですけど、
昔はタレントのパーソナルな部分の情報を得れる場所が少なかった。
でも逆に言うと、そういう深い部分の情報が出回ってないので、そこまで必要とされてもなかったと思うんです。
でも今は情報を手に入れる場所も発信できる場所も増えたことで、情報が錯綜する事態が起こっている。
だからこそちゃんと必要とされるべき情報を出していかないと、受け手側はなかなか近づいてきてくれないし、
信用してくれないんだと思います。
プロデュースをするときは、まず潜在的ニーズを探るところから始めます。
先ほどの「他者を肯定する」ということに共通しますが、自分自身の価値観や固定概念を取っ払って情報集めをして、
ニーズのあるところにピンポイントで深堀していくことを意識しています。
基本的には、SNS全般(Twitter、Instagram、TikTok)ネットニュースを見ますが、
仕事柄エンタメ関連の情報は割と入ってくるので、エンタメ以外のニュースを意識的に見るようにしていますね。
ジャンルや媒体問わず、情報は一旦自分の中に落とし込んでおく。
それがすぐには繋がらなくても、時代や自分の変化に応じて今まで蓄積された情報が引っかかることがあって
「これとこれ、掛け合わせたらどうかな」と面白い化学反応が起こって、企画が動き出すこともあるんですね。
なので、エンタメとかけ離れているところからも常に情報収集するように心がけています。
敏腕マネージャー(笑)そう言っていただけて光栄ですが、決して自分では言ってないですからね!!(笑)
入社1年目の時、1人で100名近くのライブ配信管理を担当していたんです。
その中で、事務所からのアドバイスも積極的に実践して、ひたむきに配信を続けている人たちがいたんですけど、
そのうちの3人が実はいまの「くれいじーまぐねっと」なんです。
当時は男性グループのクリエイターで既に売れてる人たちはたくさんいたんですけど、私の感覚だと
爆発的に活躍している女性グループはほぼいなかったんですね。
そこに競合が少ないと感じたのと、男性グループの実例から、需要と可能性を感じて「女性3人組」というキーワード
を元にYoutube計画を進めることにしました。
初めの1ヶ月ぐらいは、手探りでぎこちないホームビデオみたいな動画をあげてたんですよ。
もちろん全然観てもらえない。1ヶ月後、緊急会議を開いて今後の方向性を決めていったんですけど、
服装から髪色まで細かい説明書が出来上がっていくにつれてメンバーたちも
しっかりキャラクターを落とし込んでいってくれましたね。
最初は発言一つにしても、キャラクター要素を入れるように、細かく助言をさせてもらいました。
撮影を追うごとに、本人たちも自然と自分のキャラクターが出るようになったと思います。
3人ももちろんYouTube未経験だったので、みんなで畑を耕して種植えて水をあげて実がなって、
努力の積み重ねがあってスムーズにできるようになっていった、というそんなゼロからのスタートで今に至ります。
わたげ誕生のきっかけは、コロナ禍最初の緊急事態宣言のタイミングでした。
わたげはもともと今のようにSNSを多用した活動をしていたわけじゃなかったんですが、
コロナ禍で思うような活動ができなくなり仕事もなくなってしまったんですよ。
そこで私から「この機にSNSやYouTubeを積極的に運用していこう」と提案しました。
当時YouTubeでは一般の方が、自分のただの日常を動画に上げてる方がちらほらいたんです。
そのなかには必ずしもポジティブな要素をまとった発信だけではなく、「友達がいない日常」といった
一見ネガティブにもみえるような発信をしている方々も見かけていて。
そういった動画の視聴者の反応をみると共感の声がすごかったんですよね。
まだメジャーシーンではないけど、潜在的な需要がありそうだな、ということだけは私の頭の片隅にあって。
そんな中、当時高校生だった本人と方向性を話していく中で、彼女が言った「私、友達ゼロ人なんです」という
ワードがすごく印象的で、元々頭の片隅にあった「友達がいない日常」とうまく掛け合わせれるかもしれないと思い
誕生したのが「ぼっち女子高生わたげ」でした。
本人がもともと持っている特徴なので、ありのままをいかに最大化するかということを考えましたね。
結果として「ぼっち活」と称してポジティブに変換していったのは本人の器量なので、
ユーモアのセンス含めクリエイターとしてすごくリスペクトしています
うちの場合はスカウトの段階から、一人だけの観点ではなく、社内全体で情報共有することを大事にしています。
多くの視点・観点から意見をもらうことで「こんな方向性があるかも」と、そこで思わぬ発見が生まれるんですよね。
ポテンシャルを秘めた子たちを、得意領域ごとにマネジメント、プロデュースしていく。
個性をどこまで膨らませるか、この子の個性が世の中に伝わる方法は?という観点でそれぞれプランを作っているので、
それが活動ジャンルの「統一性のなさ」につながっているのかもしれないですね。
基本的にはタレントのSNSやYouTubeアカウント運用まで、自社でゼロから作り上げているので、
デジタル領域まで含めのタレントプロデュースはスターレイプロダクションの強みとして、
もっともっと強化していきたいですね。
今後も、タレントの成功を導いていけるような存在であり続けることが大前提だと考えています。
一方で裏で支えるスタッフの重要性についてもタレント側からの理解や信頼をより深められるような、
相互コミュニケーションをもっと大切にしていきたいとも思っています。
人に熱狂してもらえるようなコンテンツ作りに関してはもちろん苦労もありますけど、すごく価値のある仕事なので、
働くスタッフにもその価値を感じながら働いてほしいです。
そのために、これからも魅力的な発信をし続けたいですし、それによってスタッフを志す熱意のある人たちが
集まってきてくれたら嬉しいですよね。
その上で、タレントに安心感を与えられるプロダクションでありたいと思っています。
社名:株式会社スターレイプロダクション STARRAY PRODUCTION
住所:東京都港区南青山5丁目15−9 フラット青山301.302
TEL:03-5774-4622 /FAX: 03-5774-4633
Mail:info@starray-p.com
HP:こちらから
インタビュー・記事作成:YOUTH Clipプロデューサー 寺田祥吾
アシスタント:山口万由子