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『zenly』アプリ削除がもたらすZ世代への影響

2022.11.08

   

Zely 削除 Z世代 影響

はじめに

 

皆さんは友人や恋人と出かける際に必ず「待ち合わせ」をすると思います。

場所は例えば、、「渋谷のハチ公前」にしましょう。多くの人がいるエリアですが集合場所には打って付けです。

ですが、毎回「どこに居るんだろう?」「同じような服装が多いから見分けがつかない」など思ったことはないでしょうか?

 

そんな時に今の10代~20代は「zenly」などの位置情報SNSアプリを使って解決をしています。

ですが2022年9月14日、Twitterにて突如近い将来、サービス提供を終了することを発表し、SNSを中心に大きな話題になりました。

 

今回はそんなzenlyの「どういったアプリなのか」を具体的に理解し、削除がもたらすZ世代の影響について深掘っていきます。

zenlyとは

 

zenlyとは、「友人と常に位置情報を共有し合うことができる」今大注目されているSNSアプリです。

 

「フレンド」になると、現在位置・その場所の滞在時間・スマートフォンの電池残量などが把握できます。さらに、「what’s up?」を送るとフレンドからリアルタイムに撮られた写真が送られてきたり、チャット機能やスタンプ機能もついた、今までにないSNSアプリです。

 

次に、zenlyのユーザーについての分析とその魅力について考えてみようと思います。

zenlyのユーザー層

 

まず、以下のグラフから分かるように、zenly は10代・20代を中心に使われていることが分かります。

 

 

今現在、Z世代のあいだでは、InstagramやTwitterで自分の生活を文字や写真などで共有するだけでなく、常に自分の位置情報を共有することが当たり前になっています。

 

「どんなsnsでも利用率が高いのは女性である」という主観を持っていたので、男性の利用率が高かったのはとても興味深いです。

zenlyの魅力

 

そんなZ世代の注目を集めているzenlyの魅力について考えていこうと思います。

 

10代のzenlyを使っている人&使っていた人に、zenlyの便利なところについてアンケートを実施したところ、「自分の居場所を友人に共有できる」という点が一番高い結果になりました。

 

 

私は「自分の居場所を友人に共有する」ことによって、主に2つの利点があると思います。

 

<1つ目>

 

まず、位置情報を共有しているため、記事の冒頭で記載したように、「待ち合わせの時に詳しく場所を指定しなくても待ち合わせが可能である」ということです。

また、待ち合わせに遅刻する場合も、どれくらい遅れるのか連絡をしなくてもある程度わかるため便利です。

 

このように、できるだけ楽に待ち合わせをしようとするのはZ世代の特徴ではないかと考えています。

 

またZ世代の特徴として、Simejiが2019年に発表した「10代女子が選ぶ 流行りの若者言葉・略語 TOP10」で1位には「了解」を省略した「り」、5位には「あーなるほどね」「あーそうだね」を省略した「あね」がランクインしています。

 

 

つまり、SNSにおいてもなるべく楽に連絡をとるか、文字を打つ手間が省けるかを重視していることがここから予測でき、Z世代の全行動が「楽する、手間を省く」ことに注力しているが考察できます。

 

これなを踏まえて、zenlyはこのようなZ世代のニーズに応えたのではないでしょうか?

 

<2つ目>

 

位置情報を共有していることでたまたま近くにいた友人と会えることがあるところです。

約束をなくても、近くにいると分かれば、チャット機能や「what’s up?」機能を利用して、友人に会うことが可能です。

実際、zenlyのtiktok公式アカウント「zenlyjp」が投稿した動画でも、大学生のzenlyの使い方として、近くに友人たちが飲み会をあいていることを知った男性が飲み会に飛び込み参加するという事例があげられています。

このように、思いがけず、友人と出会うことができることもzenlyの魅力です。

10代と20代のユーザー数の差

 

冒頭の「zenlyのユーザー性年齢比」のグラフで分かるように、zenlyのユーザーは10代・20代が多い傾向です。

しかし、10代と20代の利用率にも大きな差があることもわかり、その差はなぜ生まれたのか考察してみました。

 

考察として、10代のほうが、友人と「いつでも繋がっていたい」という意識が強いからなのではないかと考えています。

実際、高校生を対象としたinstagramのアカウント数についてのアンケートでは、女子高校生6割・男子高校生3割強という結果でした。

 

 

「サブ垢」は、仲の良い友人のみをフォロワーにし、自分の日常を高頻度で投稿することが多い傾向ですが、

「今」をつながっていたい10代にとって、snsで友人と日常をシェアするのはあたりまえのことです。

その進化系として、位置情報を共有するzenlyが登場し、10代に広く普及したのだと考えます。

 

また、「what’s up?」の機能を使えば、よりリアルタイムで相手の状況が分かりますし、スタンプだけを送り合うだけというやりとりもよくみられます。

いつでも友人とつながっている安心感というのが、10代ユーザーにとってzenlyの1番の魅力なのではないでしょうか。

 

zenly削除がもたらすZ世代の影響

 

ここまでzenlyの魅力について語りましたが、このアプリが削除されることでZ世代にどのような影響が出るか?予想立てをしました。

 

楽する、手間を省くことができない

・友人や恋人との待ち合わせに手間がかかり、メッセージや電話でのやりとりを行う過程を踏まなくてはいけないためストレスが溜まる

・相手が遅刻している場合、どのくらいで着くのか予想できなくなり、「相手から連絡がくるのを待つ」か「自分から聞く」という過程を踏むためストレスが溜まる

 

たまたま会えるという体験ができなくなる

・「約束」という過程を踏まずに位置情報で近かったから会うということが出来なくなり、他SNSを用いてやりとりを行うため会う回数が全体的に減っていく

まとめ

 

友人と常につながっていたいZ世代、特に10代にとっていまやzenlyは欠かせないアプリなのかもしれません。

そんな中で、サービスを終了を発表したzenlyですが、たとえ終了したとしても、Z世代のニーズがある限り、代わりとなる位置情報共有アプリがでてくるのではないかと考えます。

自分の日常だけでなく、位置情報までもを共有するようになった次は、何を共有する時代がくるのでしょうか。

 

 

記事:岡田花梨(YOUTH Clip)

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