For Business


(C)AbemaTV, Inc.

8月10日(土)、東京ドームで開催された『Creator Dream Fes 2024 ~produced by Com.~』(以下、CDF)は、主催のコムドットをはじめ、中町綾とうあばんばんざいエスポワール・トライブなど総勢8組の動画クリエイターが集結した、クリエイターの祭典ともいえるイベント。この夏、最高にアツい盛り上がりを見せたイベントの一つです。なぜ、今、動画クリエイターやインフルエンサーがここまで人々を惹きつけるのでしょうか。

 

 

主催コムドットがつくる、ファンとの絶妙な距離感

まず、前提として、CDFの主催であるコムドットが取っている「対話型」のスタンスがポイントになってきます。視聴者やファンが自由にコメントしたりDMを送ったりできるYoutubeやSNSのプラットフォームを活かして、彼らはファンの意見をしっかりと受け止め、適宜対応したり情報発信したりしながら活動しています。企業活動に例えるなら、お客様センターに届いた顧客の声を即座に反映させながらブランド活動を行うようなイメージです。その双方向のコミュニケーションが成り立っていることこそ、彼らがファンと強いエンゲージを築いている要因の一つになっています。ファンは、自分の意見や感想を直接“推し”に届けることができ、時にはそれに対しての反応が返ってくる。(そのために彼らは、頻繁に「コメント返し」や「いいね押し」などを行っています。)非常に近い距離感で“推し”と接することができます。そうやって、“推し”以上、友達未満の距離感をファンと作れていることが他の領域の“推し”とは異なるポイントになっています。

 

©上飯坂一


 

人生をシェアすることで関係者を増やす

CDFには「夢の宣言」というパートがあります。ここでは出演者の一部が、今後の目標やこれから挑戦することを、観客の前で宣言するものになっています。今年はここでばんばんざい・るなさんとエスポワール・トライブはんくんの結婚が本人たちの口から発表されるサプライズもありました。他にも、人生をかけて達成したいことや今の想いなどそれぞれの宣言がなされ、会場は感動に包まれる時間となりました。 ファンにとっては、人生の一大事である結婚や人生に関わる想いを当の本人から共有されることで、自分もその人の人生の関係者になったような気になります。そうやって、“推し”と同じ空気が吸えるイベントという特別な空間で、特別な時間を共有し、クリエイター自ら自分をさらけ出すことで、ファンも心を開かざるを得なくなるのです。実際、昨年のCDFでの「夢の宣言」で心を打たれてファンになり、今年はイベントに足を運んだというファンもいました。

 

“推し”がファンの背中を押す存在に

今年のCDFは、総合プロデューサー・コムドットやまとさんによる「ファンへの応援」の言葉で締めくくられました。普段は人前で話したり目立ったりすることが得意ではないコムドット・あむぎりさんによるHIPHOPステージ、会場全体を圧倒的な世界観に包み込んだコムドット・ひゅうがさんの殺陣、ゼロから始め初披露となったコムドット・ゆうたさんのピアノなど、すべてのクリエイターが努力の上に成り立っているステージを披露してくれました。その上で、自分たちを「この前までは普通の一般人だった。」と前置きしながら、「自分たちは努力を重ねて東京ドームのステージまで来た。だから、みんなの背中を押したい。」と、“推し”がファンを応援するという、通常の推し活とは逆のメッセージを発信。これこそ、従来の「憧れ・追いかける存在」の推し活とは異なる、クリエイター独特の関係性をファンと築いてきたからこそ発信できるメッセージです。改めて、彼らの存在が、日本の若者にとってエンパワーメントしてくれる存在になっていることがわかるフィナーレでした。

 

©上飯坂一


 

「地元の友達」至上主義

イベント終了後のコムドットのみなさんへの取材では、「昨年以上に観客の皆さんの歓声がすごくて驚いた。イヤモニを貫通するほどの歓声で、見に来てくれた地元の友達からも「地割れかと思った」とメッセージが来ました。」と、観客のパワーに驚いたコメントも。その後、「地割れではなく地鳴りが正しいと思いますけどね。」(やまとさん)と取材陣の笑いを取り、始終和やかムード。東京ドームイベントという大舞台を終えた主催陣は、ステージで見せていたかっこよくバチバチに輝く姿から、普段の動画で見せている“内輪”で楽しむ親近感のある姿に戻っていました。このギャップもまた、彼らの大いなる魅力の一つになっています。

 


 

SNSで友達同士のつながりのあり方が大きく変化したことで、人とのつながりが作りやすくなった反面、つながりが希薄になってしまったり壊れやすくなったりと悩みも多い最近の若者にとって、長い時間を共にしてきた友達同士だからこそ作り上げられる関係性やその雰囲気に憧れる若者も多いのかもしれません。自分たちの力を信じ、道を切り開き、輝き続ける彼らの活躍を今後も期待したいと思います。

 

 

 

 

 

 

Tel:03-6712-5946

 

取材・記事:木伏美加

 

Social Share Buttons and Icons powered by Ultimatelysocial