コンビニなどで購入できるアイスクリームの平均的な値段は140円前後であるのに対して、ハーゲンダッツミニカップの値段は300円以上と2倍以上も値段の差があります。
しかし、ハーゲンダッツは、2021年12月期には過去最高売上の528億円を記録しました。
他のアイスクリームと比べて高価なハーゲンダッツが売れ続ける理由は何でしょうか?ハーゲンダッツの特徴やコンセプトから考察してみました!
ハーゲンダッツが売れ続ける最大の理由は、ハーゲンダッツが持つ絶対的な美味しさです。その美味しさの秘訣は何なのか、成分から調べてみることにしました。
美味しさの秘訣は2つ
− 秘訣①:15.0%とダントツで乳脂肪分が高い −
アイスクリームには「乳脂肪分」が含まれており、乳脂肪分が多いほどミルクがしっかり感じられる、クリーミーでコクのあるアイスクリームといわれています。
では、ハーゲンダッツ以外の人気アイスクリーム商品である「MOW バニラ」「PINO」「PARM」はどれくらい含まれているでしょうか?
この3つのアイスクリームは8.0%乳脂肪分が含まれており、比較的平均的な量だそうです。それに対してハーゲンダッツバニラは、15.0%とダントツで乳脂肪分が高いことが分かります!
この差がハーゲンダッツのクリーミーでコクのある味わいを引き出しているのではないでしょうか。
− 秘訣②:20-30%と空気含有量がとても低い −
2つめは、アイスクリームの空気含有量についてです。空気含有率が低いほど密度が高くなり濃厚な味わいになりますが、市販のアイスクリームの空気含有率は60%以上が多いようです。
反対にハーゲンダッツは、20-30%と空気含有量がとても低いです。
乳脂肪分の高さに加え、空気含有率の低さ。
なかなかこのふたつを持ち合わせているアイスクリームはないようで、これがハーゲンダッツがもつあの美味しさの秘訣なのかもしれません。
私が思うハーゲンダッツは「小さなご褒美」という印象でした。また、一般的にも今までは「ハレの日」にハーゲンダッツを買って帰る、というブランドのコンセプトのイメージが強くあったのではないでしょうか。
しかし、ハーゲンダッツはコロナ渦での生活に合わせて「ご褒美」だけではない、自分の幸せ探しのためのハーゲンダッツというコンセプトに変更しました。
2021年3月から放送されたcmのキャッチフレーズは「ハローしあわせ」。
佐藤健さんと平手友梨奈さんの普通の日常にハーゲンダッツが幸せをくれるというCMを発表しました。
「大切な時間」篇15秒(佐藤健)
「ごきげんにする方法」篇15秒(平手友梨奈)
「巣ごもり生活でいい事がなかったから、ハーデンダッツでいい日にしよう!」という新しい考え方が私たちの生活にうまくマッチしたことがコロナ渦で話題になり、YouTubeでの再生回数が300万回を超え、さらに売上を伸ばしました。
ハーゲンダッツは常に「期間限定アイス」が発売されているイメージがありませんか?
実際にハーゲンダッツは1か月に2回新作商品が発売されることがほとんどです。
そしてその新作商品すべてが話題性のあるフレーバーです。
例えば、2018年2月27日(火)から期間限定で発売され大人気だった「栗あずき」「桜あん」。アイスクリームに「和」を加えるという斬新なアイディアで人気を獲得しました。
さらに、2022年10月4日に発売された「悪魔のささやき チョコレート」など、独特なネーミングセンスもsnsで話題を呼び、売り上げ向上につながっているのではないでしょうか。
このように、レギュラーの商品に加え、新商品を高頻度で発売することにより、毎月新しい幸せを発見できるという強みがあります。
ハーゲンダッツはコンビニアイス平均価格と比べ高価ですが、高価であることに文句を言わせない「こだわりぬかれた味の質」「コロナ生活に対応させたコンセプトの変更」「高頻度で発売する新商品」により、発売当初から安定に人気を獲得しています。
これからもハーゲンダッツの戦略に注目していきたいです!
記事:岡田花梨(YOUTH Clip)