2025.08.29
9月5日(金)公開の映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』「一ノ瀬陸人」役の櫻井海音さん・「田辺大和」役の鈴木福さん・「鮫田航」役の吉田剛明さんにインタビューさせていただきました。
【本作の見どころを教えて下さい。】
鈴木:ホラー×青春というのが一番の見どころだと思います。こんなに何度も死ぬ作品はほかにないですし、死を繰り返していく中で登場人物たちの変化や成長も描かれています。また、高広さん(眞栄田郷敦)と明日香さん(橋本環奈)の関係性や明日香さんが抱える秘密にも注目です。
櫻井:ただ怖いだけではなくて、ポップさやコメディー要素も含まれているのでキャラクターそれぞれの成長や青春群像劇といった要素が上手く調和されている作品というのがとても魅力的だと思います。僕はホラー作品が苦手ですが、苦手な方にも楽しんでいただける作品になっています。
吉田:僕は前作を映画館で観る一ファンだったのですが、本作では前作よりスケールアップした青春や恐怖を感じていただくことができると思います。
【本作の舞台は遊園地ですが、夜の遊園地での撮影はいかがでしたか?】
吉田:すごく新鮮味があって景色も綺麗でした。
櫻井:ジェットコースターの乗り場から控室まで距離があって、忘れ物をしたときに一人で控室に取りに戻ろうとしたのですが、明かりひとつない道中が怖すぎて戻るのをやめました(笑) 撮影をしていると人もたくさんいますし、音も聞こえるので大丈夫ですが、一人で現場を離れるとなるとやっぱり怖かったですね。
鈴木:僕は、日が暮れて夜が深まった遊園地でのトイレが怖かったですね。蛍光灯で照らされて、どこか怖い雰囲気も漂っていて「やだな」と思いながら使っていました。
【ホラー作品を撮影している時に怪奇現象が起きる、なんて話もよく耳にしますが、なにか不思議体験などはありましたか?】
櫻井:人形の館という場所で僕と安斉星来の二人が、勝手に動く人形に怯えるシーンがあったのですが、仕込みをしていないときにも勝手に動き出すことがあって本当に怖かったです。
必死にスタッフさんが直してくれていました(笑)
吉田:僕は未成年なので(労働基準法によって)あまり夜まで撮影することがなくて、記憶に残る恐怖体験は思い浮かばないのですが、一度入ってみた人形の館がすごく怖かったのを覚えています。
櫻井:実は人形の館だけ遊園地ではなくて、資料館のような場所に移動して撮影していたので雰囲気の違いも相まって怖かったですね。
【本作が初共演のお三方ですが、第一印象と今の印象をそれぞれ教えてください。】
鈴木:海ちゃん(櫻井海音)は、静かな印象の中にもユーモアを感じる部分もあって、どういう人なんだろうと掴めなさを感じていました。現場に入ってからも、物静かとは違った落ち着きがあって、さらにその上に個性的な部分をいくつも持っていたので、今はすごく面白い方だなという印象を持っています
剛ちゃん(吉田剛明)は、緊張しいな子で初対面の頃から「映画出演が初めてで分からないことたくさんなので教えて下さい!」と声をかけてくれたので、一番最初に連絡先を交換しました。「なにか分からないことがあったら聞いてね!」と言ったのですが、全然聞いてこないですし、ずっと緊張しているんです(笑) なので第一印象からあまり変わっていないですが、少しずつ剛ちゃんのちょっとヤンチャな部分や個性が見えてきて、意外性もありました。まだまだ見えていない面があると思います。
櫻井:福ちゃんは、やっぱり“みんなの福ちゃん”というイメージが強いので守ってあげたくなるような存在だなと最初は思っていたのですが、現場に入ると圧倒的な経験値や共演者の子に優しくアドバイスする姿が見えて、“頼もしいお兄さん”という印象に変わりました。現場の雰囲気や人の動きを常に見ていて、輪の中心にいてくれたので、福ちゃんの存在のおかげで仲が深まったなと思います。
剛ちゃんは、初日から全然喋らないし、落ち着きがあまりなかったし、変わった子だなと思っていたのですが、会話をしていく中で自分のやりたいことや芯のようなものが見えてきて、役者としてすごくいい個性を持っている子だなという印象に変わりました。
鈴木:二人とも第一印象になかったお茶目さを感じますね。
吉田:海音さんは、最初本読みの時に挨拶させていただいたときは“爽やかで優しそうなお兄さん”という印象でした。現場に入ってからは僕の緊張を感じ取ってくださったのか、肩を組んで「頑張ろうね!」と鼓舞してくださりました。第一印象から今もずっと、“いいお兄さん”という印象です。福さんは、一番お話させていただく機会が多かったのですが寄り添ってくれるときの安心感がすごく大きくて、お芝居についての相談もたくさんさせていただきました。いつも的確なアドバイスをくださり、とてもありがたかったです。二人とも“いいお兄さん”です。
【鈴木さんはそんな吉田さんをどのような眼差しで見守っていらっしゃいましたか?】
鈴木:お芝居経験も少ない中で、現場での振る舞い方というのはなかなか誰かに教えてもらえるものではないので、きっと辛いだろうなというのが見ていてすごく伝わってきました。僕は小さい頃から気づいたらこの世界にいたので、子供だからという理由で先輩方やスタッフの方に可愛がってもらいながら慣れていくことができましたが、剛ちゃんの年齢からとなると誰かが親身になってくれない限り突き放されてしまうことが個人的に問題だなと思っていました。キャストの一人として近くにいる機会も多く、そんな環境にならないようにしたいなという気持ちはずっとあったので、“いいお兄さん”という風に思っていただけていたのであればそれはなによりだなと思います。
【鈴木さんは安斉さんと、櫻井さんは本田さんと同い年、そして吉田さんは最年少での参加となりましたが5名のチームワークはいかがでしたか?】
鈴木:すごくよかったと思います。アンバランスだけどバランスが取れている五人だったと思います。それが面白かったです。
櫻井:五人とも個性もタイプも違いますが、それが上手いこと調和されていた気がします。それは誰か一人が欠けていたら成り立っていなかったと思うので、綺麗にまとまったなという印象でした。
吉田:上手く調和されていたという言葉にすごく共感しています。福さんと星来さんがムードメーカーではしゃいでいるのを、海音さんと真凜さんが笑いながら止めて、そこに僕もお邪魔するみたいな感じでした。ツッコんでくれるのですごく楽しかったです(笑)
【あだ名で呼び合われているようですが、初対面のときに呼び方をお決めになったのですか?】
櫻井:撮影が始まってすぐに決めました。剛ちゃん(吉田)が一人で撮影しているシーンの裏で僕ら四人はコンテナで待機していたんです。初めましてだったので、「なんて呼び合おうか」という話になって、マリリン(本田真凜)、星ちゃん(安斉星来)、福ちゃん(鈴木福)、海ちゃん(櫻井海音)、剛ちゃん(吉田剛明)とあだ名を決めました。剛ちゃんは(撮影で)いなかったので、勝手に決めました(笑)
吉田:僕はこのあだ名で呼んでいただけることが心の支えで、仲良くなろうと思ってくださっているのがとても嬉しかったです。僕は皆さんを、「さん」付けで呼び続けると思っていたのですが、自分から作っていた殻を皆さんが壊してくれました。
鈴木:ずっとよそよそしいくせにそんな風に思ってたんだね(笑)
櫻井:結局最後まで「さん」付けだったけどね(笑)
吉田:心はとても救われていました(笑)
【ホラー×青春ということで青春を感じるシーンも多くありましたが、思い出に残っている青春エピソードはありますか?】
鈴木:三人(櫻井・鈴木・吉田)の話しでいうと、撮影終わりに温泉に行ったり、焼き鳥屋さんに行ったり、プライベートでも一緒に過ごすことが多くてとても思い出に残っています。
【櫻井さんは焼き鳥がお好きだとお聞きしたことがあるのですが、櫻井さんのおすすめのお店に行かれたのですか?】
櫻井:そうです!でも三人で行ったお店より、正直もっといい所があったんですよ! (笑) でも三人で行けたということに価値がありましたね。剛ちゃんが未成年なのでもちろんお酒は飲めませんし、あまり遅くなるのもよくないのでみんなで過ごせる時間は限られていましたが、撮影終わりなど時間を見つけて楽しく過ごすことができてよかったです。
鈴木:あとジェットコースターにみんなで乗れたのも青春だったなと思います。
吉田:僕は出演者の中で唯一のリアル高校生なのですが、通ってる高校は私服なので、関係性を築いてきた皆さんと制服を着てジェットコースターに乗るということに新鮮味がありましたし、「これが青春か」と感じる感慨深い思い出でした。
【吉田さんは個性を内に秘めた寡黙な役で、櫻井さんと鈴木さんはオタク味のある明るい役でしたがお互いの役をご覧になって新鮮に感じることはありましたか?】
鈴木:僕ら(鈴木・櫻井)は剛ちゃんと距離を詰めようとしているんだけど、一歩引いたところにいてなかなか心を開いてくれない、みたいな状況は作品とリンクしていたかなと思います(笑)
櫻井:全然心開いてくれないんだもん(笑)
吉田:これでも開いていたんですけどね(笑)
鈴木:まだまだ知らない一面がありそうです(笑)
【鈴木さん、吉田さんからご覧になって櫻井さんの役どころはいかがでしたか?】
鈴木:海ちゃんはやっぱりクールなイメージがあるので、陸人の少しおどけたアドリブなんかは、「こういう砕けたのも好きなんだな」という意外性がありました。普段接している中でもそういった一面が時々見えていたので、すごく素敵だなと思っていました。
吉田:皆さんは僕のことを“掴めない”とおっしゃっていますが、僕も案外皆さんのことを掴めていないように思います。本読みで初めて海音さんにお会いしたときに、軽くお話させていただいて、現場でもコミュニケーションを取らせていただいていたのですが、いまだに海音さんのことを深くまで知ることはできていないなと思います。なので、海音さん=陸人という印象が強いです。僕から見ると海音さんと陸人は似ているようで似ていなくて、お茶目な部分を見ていると「今のは海音さんなのか、陸人なのか」と分からなくなる時もありましたが、実際は海音さんの方が陸人よりも落ち着きのある方だなという印象です。
櫻井:剛ちゃんはロックが好きと聞いて、おすすめの曲を教えたりもしていたんですけど…(笑)
吉田:櫻井さんが教えて下さったONE OK ROCKさんやBring Me The Horizonさんの曲は今でもプレイリストの中に入れていてよく聴いています!
櫻井:ならよかった(笑)
【櫻井さん、吉田さんからご覧になって鈴木さんの役どころはいかがでしたか?】
櫻井:福ちゃんは、持っている雰囲気やオーラが役とすごく近くてピッタリだったと思います。コメディー要素のあるお芝居でもアドリブのアイデアが湧き出ていたので、僕はそんな福ちゃんに引っ張ってもらっていましたし、ついていけるように頑張っていました。それは役じゃないところでも、みんなをまとめてくれたり引っ張ってくれている福ちゃんの姿と重なりましたし、お芝居でもお芝居以外でもたくさん助けてもらったと思います。
吉田:僕も福さんと大和は似ている部分が多いと思いますが、完全に同じなわけではなくてそれぞれ素敵なキャラクターがあると思っています。
【前作から引き続き、過去に“カラダ探し”を経験した先輩として眞栄田郷敦さんが出演されていますが、眞栄田さんとはどのようにコミュニケーションを取られていましたか?】
櫻井:僕は郷敦くんと年齢が近くて共通の知り合いも多かったので、人見知りの郷敦くんの心を開けるように僕から積極的に話しかけていました。少しずつ距離を縮めることができて、最終的には僕ら生徒メンバーに焼肉をご馳走して下さったりもして、役でも現実でもまさに“いい先輩”でした。
鈴木:海ちゃんが先陣を切って道を作ってくれたおかげで、僕たちもコミュニケーションを取っていただけるようになりました。
櫻井:郷敦くんは本当にシャイな方で、メイクさんを通じて、郷敦くんが「みんなと仲良くなれないかも…。」って言ってたよという風に聞くこともあったので、なんとか心を開いてもらえるように意識していました。
吉田:眞栄田さんは、撮影の休憩中などでも、話しかけてくださったりツッコんでくださって、とてもありがたかったです。
櫻井:あと郷敦くんがクレープを差し入れてくれたこともありました。これもツンデレだなってと思ったエピソードなのですが、郷敦くんが撮影を終えて先に帰る日で、「クレープ、郷敦くんがみんなに買っていってくれたよ」とスタッフさんづてにクレープをいただいたんです。そういうところがとても可愛らしいなと思いました。
【吉田さんは本作が映画初出演となりますが、完成した作品をご覧になってどのようなお気持ちでしたか?】
吉田:すでに見ている景色だし、確かに撮影したものなのに、どこか夢の中にいるような気分でした。スクリーンで見れば見るほど現実味が無くなっていく感覚でしたね。でも、一緒にお仕事させていただいたスタッフの皆さんやキャストの皆さんとまた再会してお話しているうちに、携わらせていただいた実感と責任が徐々に芽生えてきました。
【初めての映画の現場ということで、やはり櫻井さんや鈴木さんの存在は大きいものでしたか?】
吉田:お二人は、温泉で裸の付き合いもできたことで距離が縮まってたくさん気にかけていただきましたし、心の支えになってくださっていました。
鈴木:海ちゃんは(先輩としての姿を)ずっと背中で見せながらも、時々言葉にしてそっと渡してあげていて、すごくかっこいいなと思っていました。
吉田:さっきも「ため口で話そう!」という流れがあったのですが、年齢的な部分でも、この業界で長く実績を積まれてきたという経験値の差でも、安易な接し方はできないなと思っています。
【もしも実際に“カラダ探し”に参加することになったら、カラダ探しをした記憶を残したいですか?それとも忘れたいですか?】
鈴木:僕は残したいです。一度死んだ経験というのは、今後もし死ぬ役を演じる機会があったときに、役者としての財産になると思うからです。
櫻井:僕も残したいです。一度死んだ経験というのを酒のあてにしながら飲みたいですね(笑)
鈴木:どういうこと(笑) 「あ~死んだな~」って?(笑)
櫻井:「あの死に方よかったな~」とか「実は一回死んだことあるんだよね」って一つのエピソードトークとして持っておきたいです(笑)
吉田:僕も残したいですね。痛みや恐怖はありますが、その過程で成長した部分もあったので忘れたくないなと思いますし、これだけ怖い経験をしておけばこの先なにがあっても臆せずにチャレンジできるかなと思います。
【最後にZ世代の皆様へ一言お願いいたします。】
櫻井:Z世代の皆様の中でも、僕くらいの年齢になると社会人になって学生時代の青春というのを忘れかけてしまっている方もいらっしゃると思うので、本作の恋愛要素や青春要素のあるシーンを通して懐かしんで楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
鈴木:ホラー作品ということで、ゾクっとしたい人や暑い夏にヒヤッとしたい人が多く観て下さると思いますが、恐怖と共存する青春要素もあり、“楽しみながら観られるホラー映画”ということである種アトラクションに乗っているような感覚で楽しんでいただけるのではないかなと思います。僕たちは新型コロナウイルスの影響で、普通とは異なる形で青春時代を過ごした世代なので、また違った見え方があるのではないかなと思いますし、下の世代の方からは、憧れる“青春の疑似体験”といったような形でも見ていただけたら嬉しいです。
吉田:ホラーの中にも青春要素がたっぷり詰まった作品なので、恋人やお友達と一緒に観に行って、素敵な時間を過ごしていただけたらなと思います。
<ストーリー>
深夜0時。バラバラになった体を見つけ出すまで、同じ日を繰り返す「カラダ探し」。
明日香と高広が「カラダ探し」を終わらせた直後、高広の目の前で明日香がこの世から消えてしまう。
その3年後、陸人たち5人の高校生が目を覚ますと、そこは真夜中の遊園地だった。
すると全身血だらけの少女“赤い人”が現れ、彼らは無惨に殺されてしまう。
しかし目を覚ますとそこは同じ日の朝だった…。「カラダ探し」に選ばれたことに気付く陸人たち。
そんな彼らの前に、かつての面影を失った高広が現れる。高広は3年間、恋心を寄せる明日香を探し続けていた。
6人は“呪いの連鎖”によって消えた明日香を救い出すため、“赤い人”の恐怖と対峙する―。
高広は明日香を助け出すことができるのか?「カラダ探し」に隠された謎が、ついに明かされる——。
橋本環奈 眞栄田郷敦
櫻井海音 安斉星来 鈴木福 本田真凜 吉田剛明 木村佳乃
原作(小説):ウェルザード(エブリスタ)
関連書籍(漫画):ウェルザード(原作)/村瀬克俊(漫画) (集英社/少年ジャンプ+)
監督:羽住英一郎
脚本:土城温美、原祐樹
音楽:菅野祐悟
主題歌:Stray Kids「Parade」(Sony Music Labels Inc.)
挿入歌:ヤバイTシャツ屋さん「Searching for Tank-top」(ユニバーサルシグマ/BADASS)
制作プロダクション:ROBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2025「カラダ探し THE LAST NIGHT」製作委員会
◇公式サイト:karadasagashi.jp ◇公式X:@karadasagashi_m #カラダ探しTLN
◇公式Instagram:@karadasagashi_movie ◇公式TikTok:@karadasagashi_movie
〈櫻井海音〉 ヘアメイク:高草木剛(VANITÉS)スタイリスト:藤井晶子
〈鈴木福 〉ヘアメイク:ショウジロウ フェニックス スタイリスト:作山直紀
〈吉田剛明〉 ヘアメイク:KAZUOMI(LOTUS)スタイリスト:百瀬豪