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Z世代の大学生が考える “子どもが生きやすい社会” とは? #こどもまんなかアクション

2025.03.02

   

こども家庭庁の「#こどもまんなかアクション」の一環として、株式会社エイチジェイが大学生3名を対象にグループインタビューを実施しました。

 

このプロジェクトは、子どもが生きやすい社会をつくるために、子ども時代に感じた社会や大人への不満を振り返り、課題や解決策を考えることを目的としています。

 

今回、その様子を見学し、議論の内容をまとめました。

 

・ 今回の参加者について

今回のインタビューには、ダンス専攻の大学生や企業でインターンをしている学生などが参加。

小学生時代を海外で過ごした経験のある学生もおり、多様な視点で意見が交わされました。

 

・  インタビューの流れ

小学校→中学校→高校の順で、「不満の洗い出し→発表→ボトルネック分析→解決策検討」という流れで議論が進められました。

 

1. 【小学校時代】の不満と課題

 

■主な不満 

給食のルールが厳しすぎる

食べるのが遅い子は休み時間を削られたり、次の授業に遅れることがあった。少食の子どもや、特定の食べ物が苦手な子にとっては大きな負担になっていた。

 

・大人の叱責が怖い

間違えることが多い時期なのに、「何やってるんだ」と強い口調で怒られることが多く、大人の目を気にするようになった。

 

・比較されることが多い

親や先生が周囲の子どもと比べることで、プレッシャーを感じてしまう。

 

・本音を言いづらい

悩みがあっても「怒られるかもしれない」と思うと、大人に相談できなかった。

 

・自由が少ない

好きな食べ物を選べなかったり、国によっては一人で外出できないなど、行動の制限が多い。

 

■ボトルネック

・給食の食べ方のルールは学校によって差があり、柔軟な対応が求められる。

・大人が子どもを正すことが優先され、精神的な負担が考慮されにくい。

・本音を言えない環境が、子どもにとっての安心感を損ねる要因になっている。

 

■改善策

・給食の量を選べるように「大・中・小」のサイズを用意する。

・間違いを責めるのではなく、学びの機会として大人が対応する。

・子どもが気軽に本音を話せる仕組みをつくる。

 

2. 【中学校時代】の不満と課題

 

■主な不満

・年功序列の文化が根強い

学年間での上下関係が厳しく、自由に発言しづらい環境があった。

 

・テストの結果が公になる:追試の教室が公開されることで、周囲に知られてしまい、いじられることがあった。

 

・メイク禁止のルール

自由な自己表現ができず、息苦しさを感じることがあった。

 

・いじめの対応が不十分

いじめを受けても、先生が対応してくれないケースが多く、逃げ場がなかった。

 

・お小遣いが足りない

運動部の活動が厳しく、間食をとる必要があったが、金銭的に難しかった。

 

・遊び場が少ない

外で遊ぼうとしても、近所から苦情が入り、制限されてしまうことがあった。

 

・塾の対応に不満

成績を重視するあまり、生徒の志望よりも塾側の意向が優先されることがあった。

 

■ボトルネック

・先生の「完璧であるべき」という概念が根強く、ミスを認めづらい空気がある。

・いじめの被害者が「悪い」と思われたり、周囲の目を気にして相談しづらい環境になっている。

・いじめをする側にも精神的な問題があるケースがあり、加害者側のケアも必要。

 

■改善策

・いじめ担当の専門課を設けることで、対応を強化する。

・全生徒が定期的にカウンセリングを受ける仕組みをつくる。

・いじめ被害者のための居場所を増やし、保健室以外にも逃げ場を用意する。

・先生ではなく、大学生などの年齢の近い相談役を配置することで、気軽に話せる環境をつくる。

 

3. 【高校時代】の不満と課題

 

■主な不満

 

・お金に関する悩みが増える

学費や塾代、受験費用などが負担になり、金銭面の問題を強く意識するようになった。

 

・税金の使い道が不透明

学費が高いのに、何に使われているのかわからないと感じることがあった。

 

・SNS上での誹謗中傷

匿名で悪口を書かれるようになり、精神的に苦しむことがあった。

 

・教師の陰湿さに気づく

職員室での生徒に関する悪い噂話など、大人の裏の顔を知るようになった。

 

・バイトでのハラスメント

セクハラやパワハラを経験し、労働環境に対する不満を感じることがあった。

 

・バイトに対する偏見

通信制高校に通いながら朝バイトをしていると、「貧乏なの?」と偏見の目で見られることがあった。

 

・「ありがとう」が言えない大人が増える

大人になればなるほど、感謝の気持ちを言葉にしなくなることに違和感を覚えた。

 

■ボトルネック

・バイト環境に関する相談窓口を設ける。

・SNS上の誹謗中傷対策として、相談機関をもっと身近にする。

・学費や税金の使い道について、生徒にも理解できる形で情報公開を進める。

 

■ まとめと気づき

・共通する課題

「大人に相談しにくい環境」「決められたルールへの不満」「社会の偏見や制度の壁」

・世代が上がるにつれて変化する悩み

(小学生→生活の制約/中学生→人間関係/高校生→お金・社会との接点)

 

■今後に向けた視点

・子どもの声をもっと拾い上げる仕組み

・「子ども目線」の制度設計の必要性

 

■ さいごに

今回の議論を通じて、子どもの声をもっと拾い上げる仕組みや「子ども目線」の制度設計の必要性が改めて感じられました。今後もこうした活動が続くことが期待されます。

 

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